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清春編
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「ただいま…」
「お帰りなさい、清春さん、今日は早いのね?」
茉優子と会って数日後、久々に家に早めに帰宅した日があった。
あまりに毎日が遅いと真由に怪しまれる…そんな打算が俺にはあったのかもしれない…。
真由がリビングのソファに座ったまま、俺を見やる。
映画…?
名前はわからないが、ちらりと見たことがある若手俳優が出ている映画のDVDを観ている最中のようだ。
ミニテーブルには桃の缶酎ハイ、その横に食べかけのポテトチップス…
なんだか自由な大学生のような生活で羨ましいなと…他人事ながらに思ったが、俺は普通に答える。
「ああ…久々に仕事が切りよく終わったから定時で上がったんだよ。職場近くの美味い弁当屋で焼き肉弁当買ってきたんだけど、真由も一緒に食べない?」
「… んーー… いいね…じゃあせめて、お味噌汁、作るね… 」
真由はそう言ってよっこらしょと立ち上がり、ポットに水を入れてセットする。
作ると言ってもインスタントの味噌汁だ…それでも、汁物があるのはありがたい…。
「着替えてくるね…」俺はそう言い残して、リビングを後にする。
ネクタイを取り去りながら、ふと、あの男のことを思い出す…。
俺の家のリビングでこそこそと…真由に…真由の身体に、不埒な行いをしたうえで…
俺に見られたのがわかっていてもなお、堂々と振舞った真由の兄、哲也…。
あの男はあれ以来一度も…少なくとも俺がいる時間にはこの家に来ていない…。
「お帰りなさい、清春さん、今日は早いのね?」
茉優子と会って数日後、久々に家に早めに帰宅した日があった。
あまりに毎日が遅いと真由に怪しまれる…そんな打算が俺にはあったのかもしれない…。
真由がリビングのソファに座ったまま、俺を見やる。
映画…?
名前はわからないが、ちらりと見たことがある若手俳優が出ている映画のDVDを観ている最中のようだ。
ミニテーブルには桃の缶酎ハイ、その横に食べかけのポテトチップス…
なんだか自由な大学生のような生活で羨ましいなと…他人事ながらに思ったが、俺は普通に答える。
「ああ…久々に仕事が切りよく終わったから定時で上がったんだよ。職場近くの美味い弁当屋で焼き肉弁当買ってきたんだけど、真由も一緒に食べない?」
「… んーー… いいね…じゃあせめて、お味噌汁、作るね… 」
真由はそう言ってよっこらしょと立ち上がり、ポットに水を入れてセットする。
作ると言ってもインスタントの味噌汁だ…それでも、汁物があるのはありがたい…。
「着替えてくるね…」俺はそう言い残して、リビングを後にする。
ネクタイを取り去りながら、ふと、あの男のことを思い出す…。
俺の家のリビングでこそこそと…真由に…真由の身体に、不埒な行いをしたうえで…
俺に見られたのがわかっていてもなお、堂々と振舞った真由の兄、哲也…。
あの男はあれ以来一度も…少なくとも俺がいる時間にはこの家に来ていない…。
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