【完結・R18】鉄道の恐怖

もえこ

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清春編

変化

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「…ね?どうどう…?」

俺がスプーンでシチューを口に運んだ途端、真由が味の感想を聞いてくる。

「ん…とても美味しいよ…なんだかあったまる…。」

しっかり煮込んだのか、ジャガイモも人参もちゃんと、柔らかくなっていて
ルーの濃さもちょうど良かった。

なんだ…真由、やれば普通にできるじゃないか…
そう言いたくなったが、なんだかそれも上から目線の発言だなと、シチューとともに言葉を飲み込む。

「ほんと…?嬉しい~~最近まともに料理してなかったから包丁持つ手も震えちゃって…でも良かった…これからはもう少し色々作れるように、頑張るね!」

真由が自分も旨そうにスプーンでシチューを口に運びながら笑う。

本当にどうした…?
どんな心境の変化なんだ…

もしかしてやはり哲也に… 何か助言でもされたのではないか…
そんな考えが俺の頭の隅をよぎった。

「真由… 一体どうしたの…?なんだか張り切って見えるけど… 」

「え…!?…ううん、別に…テレビの料理番組見て、ちょっと頑張ってみようかなって思っただけだよ…?あ…私、ちょっとお風呂沸かしてくるね!」

「…ああ…うん… ありがとう…。」

今まで毎日シャワーで済ませていたのに…真由が、突然風呂を沸かすとバスルームへ消えていく。

やはり、何か心境の変化があったに違いない…。
家事を頑張ろうと真由に思わせたきっかけがどこかに…
そう考えると、真由とよく接している哲也の顔がどうしても頭をちらつくが、俺は首を振ってその想像を消し去る。

哲也のことを思い出すと、
あの…哲也が真由にしていたであろう異様な行為…その光景が頭の中を侵食し、一気に気分が悪くなる…。

真由の変化は俺にとっては嬉しい変化なのだから、しばらくは様子を見守ろう…
俺はそんな気持ちで、

真由のいなくなった空の椅子を、ぼうっと見つめた。









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