【完結・R18】鉄道の恐怖

もえこ

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清春編

新婚

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俺はその日、あまりに疲れがたまっていて…
仕事は終わっていないものの、定時に職場を後にした。

昨夜の茉優子との逢瀬… 
帰宅後の、哲也との対面… 
そして、内容ははっきり覚えていないが、とても寝覚めの悪い夢…

身体も脳も…疲れ切っていた…。

「ただいま…」
俺はそっと、ドアを開ける…。
おかしな話だが、自宅のドアを開けるのに恐怖してしまう…。

また、あの男が…哲也が訪問していないかと想像するだけで背筋が凍る思いがした。

家に入るなり真っ先に、哲也の靴があるかを確認してしまう…。
ない…真由の靴…パンプスや季節外れのサンダル…秋冬用のブーツのような靴が何足か
無造作に置かれているだけだ…。

さすがに、今日もあの男がこの家に来ていたならば、俺は冷静ではいられなかっただろう…。
もしかすると、自分を抑えることが出来ずに…掴みかかったかもしれない…。

ただ、哲也にまともに、昨夜見た異様な光景について問いただせるのは真由がいない瞬間だけだから… 
そのタイミングは、意外に難しかったかもしれないが…。

「お帰りなさい、清春さん…今日は珍しく早いのね…?」
真由が、珍しくエプロン姿で俺を玄関で出迎えてくれたのに、少し驚く。

結婚したての頃、真由が良く身に着けていた花柄の少し派手なエプロン…
やはり今朝の朝食の用意といい、真由の様子が少しおかしい…
もしかして、哲也に何か、助言でもされたのだろうか…?
もしくは何かの情報誌を見て、学んだのか…?

「ああ…そうなんだ、なんだか今日は疲れてて… たまには定時に帰ろうって思ってね…」
そう答えると、真由が俺の鞄を受け取る…。

「そっか…ねえ今日ね…久々にビーフシチューを作ってみたの…今さっき出来たばかりだから
早く、手を洗ってきて座って!ね…?」
そう言って笑って、真由がキッチンにいそいそと消えて行く…。

まるで、結婚したての…あの、新婚の時のようだ…  

あの頃は、本当にこうだったな…  
毎日が幸せで… 
真由の可愛らしい顔を見るために早く家に帰ろうって、それなりに仕事も頑張っていたっけ… 

俺はそんなような…少し懐かしい気持ちで、洗面所に向かった。
















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