【完結・R18】鉄道の恐怖

清春編

メール

『こんにちは。昨日はあれから、大丈夫でしたか…？お疲れ様でした。』

少し前にメール交換をしたものの、
茉優子からきたメールの文面は、たったそれだけの短いものだった。

用心深い茉優子の性格だ…。
きっと、俺以外の誰かが見てしまう可能性も想定したうえでの、差しさわりのない内容なのだろうと推測できた。

だがやはり…甘い言葉を期待していたわけではないが、昨日の今日でこのシンプルさ…
俺は少し落胆を覚えつつも、返信をする。

『こんにちは石塚さん。メールありがとうございます。あれから全然大丈夫でしたよ…昨夜は楽しかったですね。また是非行きましょう』

俺はそう、文面を打ち込んで送信する。

考えてみれば自分だって同じだ…
誰が見ても、あやしい雰囲気を醸し出したりはしない文面で返した。
やはり茉優子と俺は似た者同士なのかもしれない…そう思うと余計に、茉優子に好感が持てた。

しかし、また是非行こうなどとつい書いてしまったが、その行き先が…ホテルと思われていたらなんだか嫌だな…恥ずかしいとも思ったが、でも本当のところ、また行きたいのは事実…俺の隠しきれない本心だ…。

ああ…昨日茉優子と別れたばかりなのに…また、彼女に会いたい…
会って、心ゆくまで話をしたい…。

俺は茉優子に、思いをはせる…。