【完結・R18】鉄道の恐怖

清春編

余韻

「お待たせしました…坂下さん…」

セックスの後の余韻にしばらく浸った後、茉優子がシャワーを浴び終わり、浴室から出てきた。

少し残念だが、仕方がないことだ…。

茉優子の美しい白い肌は完全に隠れ…
きっちりと、最初に着ていた服を着込み、雨で濡れたカーディガンはドライヤーの力を借りて、もう完全に乾いていた。

「もう10時を過ぎているのですが、急がなくて大丈夫ですか？」

今…俺が一番気になっていることを、まず聞いてみる。

普段、英会話の後に食事に行った場合は、せいぜい夜8時から9時台に解散するのが普通だ。

この時間の帰宅ではさすがに…彼女の家庭…つまり、夫に話すのには説明が必要になるのではないか…しかも突然の、この…自分で言うのもなんだが、この信じられない事態…。

茉優子はここに来るまでとホテルの室内で、スマホの画面を何度かは確認していたものの、家に連絡している素振りが見えないのも少し、気になっていた。
俺がシャワーを浴びている間に、メールなどで遅くなると連絡を済ませているのだろうか…  

俺はそんな風に、勝手に推測していた。 

茉優子は口を開く。

「坂下さん…時間、気にさせてましたね、ごめんなさい…。先にお伝えしていれば良かったのですが実は主人、先日から東京に出張中なんです。明日の午後帰ってくる予定になっていまして…だから今夜は、本当の意味で、私は自由、だったんです…」

茉優子がすまなそうに…でも、ふわりと微笑みながら俺を見る。

「そうでしたか…それなら良かった…」

そう言いながら、俺は自問自答する…。

　　　　　　　何が、　

　　　　　　　　　　良かった…だ…