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清春編
靴
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「こんばんは。今日は…どうしますか?」
英会話教室が終了した後、そう、茉優子に声を掛けられる。
本当のところ、茉優子と食事に行きたいと思った。
だが…先週の真由の様子を考えると、時々はまっすぐ家に帰った方が良さそうな気がした。
「あの…すみません、今日はちょっと真っ直ぐ家に帰ることにします。」
「…そうですか…そうですよね、お家で奥様、待たれていますよね。それではまた来週に…お疲れ様でした。」
茉優子はにこりと遠慮がちに笑い、教室のドアを出て行った。
先週の、真由との久々のセックス…
間が空きすぎて…疲労が蓄積し過ぎていて…
最初は、自身のモノがちゃんと機能するか心配だった…だが、真由の豊満な肢体を目にして…真由の泣きそうな…憂いを帯びたような色気のある表情を目にして…
俺は、ちゃんと興奮した…。
まだ…俺と真由は大丈夫だ…。
夫婦として…互いに、少しの不満があったとしても…
まだ全然… 大丈夫、なんだ…。
毎日の無機質な食生活がどんなに俺の心を塞がせても… 片付けても片付けても、すぐに戻ってしまう乱れきった部屋が、俺をさらなる疲労に追いやっても…
真由自身…を、嫌いなわけじゃない…。
明るくて自由奔放で、茶目っ気たっぷりの…可愛らしい真由…性格だって良い…会社でだって誰からも好かれていた…。
ただ、家事が苦手で…浪費癖があって…片付けができないだけだ…ただ、それだけ。
俺が贅沢なだけだ…
「ただいま…」
俺は静かに、家のドアを開ける。
「… ふふ … やだあ… 」
リビングから真由の声が聞こえる…。
誰かいるのか…
それとも、電話で誰かと話しているのだろうか…
あ…男物の靴が一足、あるのに気づく…。
「真由…」
俺は小さく声をかけながら、そっとリビングのドアを開けた…。
英会話教室が終了した後、そう、茉優子に声を掛けられる。
本当のところ、茉優子と食事に行きたいと思った。
だが…先週の真由の様子を考えると、時々はまっすぐ家に帰った方が良さそうな気がした。
「あの…すみません、今日はちょっと真っ直ぐ家に帰ることにします。」
「…そうですか…そうですよね、お家で奥様、待たれていますよね。それではまた来週に…お疲れ様でした。」
茉優子はにこりと遠慮がちに笑い、教室のドアを出て行った。
先週の、真由との久々のセックス…
間が空きすぎて…疲労が蓄積し過ぎていて…
最初は、自身のモノがちゃんと機能するか心配だった…だが、真由の豊満な肢体を目にして…真由の泣きそうな…憂いを帯びたような色気のある表情を目にして…
俺は、ちゃんと興奮した…。
まだ…俺と真由は大丈夫だ…。
夫婦として…互いに、少しの不満があったとしても…
まだ全然… 大丈夫、なんだ…。
毎日の無機質な食生活がどんなに俺の心を塞がせても… 片付けても片付けても、すぐに戻ってしまう乱れきった部屋が、俺をさらなる疲労に追いやっても…
真由自身…を、嫌いなわけじゃない…。
明るくて自由奔放で、茶目っ気たっぷりの…可愛らしい真由…性格だって良い…会社でだって誰からも好かれていた…。
ただ、家事が苦手で…浪費癖があって…片付けができないだけだ…ただ、それだけ。
俺が贅沢なだけだ…
「ただいま…」
俺は静かに、家のドアを開ける。
「… ふふ … やだあ… 」
リビングから真由の声が聞こえる…。
誰かいるのか…
それとも、電話で誰かと話しているのだろうか…
あ…男物の靴が一足、あるのに気づく…。
「真由…」
俺は小さく声をかけながら、そっとリビングのドアを開けた…。
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