【完結・R18】鉄道の恐怖

もえこ

文字の大きさ
上 下
127 / 544
清春編

朝食

しおりを挟む
ああ…

朝は普通の…ごく普通の朝食… 和食を食べたい。

白いご飯に豆腐の味噌汁…
あとできれば納豆とか卵焼きとか…そんなものでいい。

いやもはや、贅沢は言わない。
ご飯と味噌汁だけでも良いくらいだ。
あとは勝手に冷蔵庫を開けて、漬物やら自分で準備するからと、心の中で思う。

俺はテーブルに並べられたいくつかのパンの袋を見つめて、ため息をつく。

我が家の朝食はほぼ毎日、セルフサービス形式。
良く言えば、パン祭りだ…。

ロールパンやクロワッサン、菓子パンなどが数個ずつ入ったパンの袋の中から自分の好きな種類のパンをとって、皿に盛る。

飲み物は自分で、牛乳か、オレンジジュース。
たまにアイスコーヒーの紙パックが冷蔵庫に入っていることもある。

基本的に、おかずはない。

最初の頃はベーコンエッグとかサラダ…手作りのバナナジュースなどがテーブルに並んで、
一人暮らしできちんと朝食を摂っていなかった俺は感動し、本当に幸せだなと思っていたが…

ああ… 

今日はどのパンにしようか…。
飽きたな…なんだかどれも…食べたいと思えない…。

いやいや、駄目だ…。

世の中には飢えや、突然勃発した思いもよらない戦争などで命の危険にさらされ、
食べられない人がごまんといるのだ…。

「今日は…これにしよう…。」

俺はクロワッサンと小さなメロンパンを一個ずつ袋から出して、皿に盛る。

「…甘… うん… うまいな…」俺はゆっくりとパンをかじりながら独り言のように呟く。

食べた後、自分の使った食器を洗い、身支度をして一人、家を出る。

「…今日こそは、仕事がさばけたら、どこかに寄ってご飯でも食べて帰ろうかな…。」

駄目だ…最近…独り言が多いな…   
自覚はあるが、気付けば声に出てしまっているような状態だ…。

俺は少し虚しい気持ちを抱えたまま、会社へ向かった。

だが、その日の夕方…

俺は自分の人生の転機ともいえる女性との、出会いを果たすことになる。

      石塚茉優子…

とても控えめで、所作が美しい女性だった。





































しおりを挟む
こちらの作品は、ホラー・ミステリー大賞に応募しています。投票いただけると嬉しいです。よろしくお願いいたします。
感想 3

あなたにおすすめの小説

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

友達の母親が俺の目の前で下着姿に…

じゅ〜ん
エッセイ・ノンフィクション
とあるオッサンの青春実話です

ちょっと大人な体験談はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な体験談です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

BL団地妻-恥じらい新妻、絶頂淫具の罠-

おととななな
BL
タイトル通りです。 楽しんでいただけたら幸いです。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

騙されて快楽地獄

てけてとん
BL
友人におすすめされたマッサージ店で快楽地獄に落とされる話です。長すぎたので2話に分けています。

淫らに、咲き乱れる

あるまん
恋愛
軽蔑してた、筈なのに。

イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?

すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。 翔馬「俺、チャーハン。」 宏斗「俺もー。」 航平「俺、から揚げつけてー。」 優弥「俺はスープ付き。」 みんなガタイがよく、男前。 ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」 慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。 終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。 ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」 保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。 私は子供と一緒に・・・暮らしてる。 ーーーーーーーーーーーーーーーー 翔馬「おいおい嘘だろ?」 宏斗「子供・・・いたんだ・・。」 航平「いくつん時の子だよ・・・・。」 優弥「マジか・・・。」 消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。 太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。 「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」 「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」 ※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。 ※感想やコメントは受け付けることができません。 メンタルが薄氷なもので・・・すみません。 言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。 楽しんでいただけたら嬉しく思います。

処理中です...