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清春編
兄弟仲
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「清春さん、今日はどうしたの…?こんなに早く帰れるのなんて、久々よね?」
真由が、洗面所から戻って無造作に冷蔵庫を開けながら、俺に声を掛ける。
「ああ…さすがに毎日残業してると身体が疲れるからね…たまにはメリハリをつけようと思ってさ…まあ、仕事がちょうど片付いたしね… そういう真由は…?どこかに出かけてたの?」
真由はたった今、外から帰ったんだ…「お帰り」と今しがた言ったばかりだし、出かけていたのは一目瞭然だ…。
なのに気付いたら、俺の口からそんな言葉が出ていた。
自分でも気付かぬうちに、真由の行動の詳細を聞いて、問いただしたい気持ちが、
俺の心の奥底、どこかにあったのかもしれない…。
リビングのカーペットに無造作に置かれた沢山の紙袋…
しかも安物じゃない… おそらくブランドの店。
「えっと… 実はね、…お兄ちゃんと外でお昼食べて、その後少しだけ買い物に付き合ってもらってたんだ~…今日は仕事が休みって聞いてたから… えへへ…んで、このバッグ買ってもらっちゃったの…もちろん、あとは自分で払ったんだけどね…」
真由が悪びれもせず、紙袋の一つを上に掲げて、嬉しそうに微笑む。
それは、誰もが知る…ブランドに疎い俺ですらわかる、有名ブランドのロゴが入った紙袋だった…。
「… そう…か… お兄さんにはお礼、言ったのかな…?高そうだよね…そこの…」
「うん!もちろんお礼は言ったよ~~ こんなの高すぎていらないって最初は断ったんだけど、来月の真由の誕生日の前祝だから気にするなって言ってくれて… これね、すごい可愛いんだよ、色とかデザインとか…あぁ…外に持ってくの、楽しみだなあ…」
真由が、恍惚とした表情で、紙袋をさらに天井に近付けて微笑む。
「そう… 良かったね…」
また、真由の兄…哲也と一緒、だったのか… 本当に仲がいいな…。
真由は兄の哲也と時々、日中会っているようだった。
ランチに行くこともあれば、映画に行くこともあるとか。
いい年なのに、今時こんな仲が良い兄弟は珍しいなと何度、思ったことか…。
真由が、洗面所から戻って無造作に冷蔵庫を開けながら、俺に声を掛ける。
「ああ…さすがに毎日残業してると身体が疲れるからね…たまにはメリハリをつけようと思ってさ…まあ、仕事がちょうど片付いたしね… そういう真由は…?どこかに出かけてたの?」
真由はたった今、外から帰ったんだ…「お帰り」と今しがた言ったばかりだし、出かけていたのは一目瞭然だ…。
なのに気付いたら、俺の口からそんな言葉が出ていた。
自分でも気付かぬうちに、真由の行動の詳細を聞いて、問いただしたい気持ちが、
俺の心の奥底、どこかにあったのかもしれない…。
リビングのカーペットに無造作に置かれた沢山の紙袋…
しかも安物じゃない… おそらくブランドの店。
「えっと… 実はね、…お兄ちゃんと外でお昼食べて、その後少しだけ買い物に付き合ってもらってたんだ~…今日は仕事が休みって聞いてたから… えへへ…んで、このバッグ買ってもらっちゃったの…もちろん、あとは自分で払ったんだけどね…」
真由が悪びれもせず、紙袋の一つを上に掲げて、嬉しそうに微笑む。
それは、誰もが知る…ブランドに疎い俺ですらわかる、有名ブランドのロゴが入った紙袋だった…。
「… そう…か… お兄さんにはお礼、言ったのかな…?高そうだよね…そこの…」
「うん!もちろんお礼は言ったよ~~ こんなの高すぎていらないって最初は断ったんだけど、来月の真由の誕生日の前祝だから気にするなって言ってくれて… これね、すごい可愛いんだよ、色とかデザインとか…あぁ…外に持ってくの、楽しみだなあ…」
真由が、恍惚とした表情で、紙袋をさらに天井に近付けて微笑む。
「そう… 良かったね…」
また、真由の兄…哲也と一緒、だったのか… 本当に仲がいいな…。
真由は兄の哲也と時々、日中会っているようだった。
ランチに行くこともあれば、映画に行くこともあるとか。
いい年なのに、今時こんな仲が良い兄弟は珍しいなと何度、思ったことか…。
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