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清春編
真由の申し出
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「ねえ、清春さん… 結婚式はさ、なしにしない…?」
それは、真由の兄との対面を済ませてから数日後のこと。
会社近くの店で真由とともにランチを済ませて珈琲を飲んでいると、突然真由がそんなことを言い出した。
「な… なんで…!? そんな… 真由… … どうして…いきなりそんな…」
俺は動揺を隠せない。
膝が震えそうになるのを、必死に両手で抑えつける。
なんでいきなり… そんな…
気持ちが変わったのか…?
先日真由の兄に挨拶も済ませたばかりで、何もかもが順調だと思っていたのに…。
真由を真っすぐに見つめると、真由は微笑みながらこちらを見ている…。
・・・・ ? あれ ・・・・
「あー--!!ごめんなさい!!清春さん…私の説明不足だ。あの、あのね!!結婚、はする!」
「…は…?」
「結婚はするの!絶対したいの…!入籍はしたい!でもね… あの、お式とか披露宴とかをね…」
「…え…?」
「あの…結婚式とか披露宴とか…つまりお披露目を、しないでいいかなって…できればしたくないなって思ってて…」
「…へ…?」
俺はなかなか、その先の言葉をうまく紡げないでいた…。
取り敢えず良かった… そういう意味だったのか…、なんだ…。
「あの…私、両親がいないし、親戚も遠方なのよね。
そうなるとまともに招待できる親族は兄だけ…それ以外は友人と職場の同僚だけってなるとその…ほら、清春さんのご家族・親族の方とも数が合わないっていうか、バランスが少し…ね…」
「ああ… そういう、ことか… なるほど…」
俺はふと、考える…
俺は一人っ子で、両親はまあまあ、いい年だ…。
実家に帰るたびにそろそろいい人はいないのかと聞かれ、
この前遂に、結婚したい人がいると…真由という恋人がいると伝えた時のあの、二人の悦びよう…。
真由に会ってもいないのに、結婚式はいつになるのか、おまえのタキシード姿が楽しみだとかなんとか…
嬉しそうに顔をほころばせて笑っていたっけ。
なのに… 結婚式も披露宴もしない…
二人ががっかりするのは目に見えていた… だが真由の気持ちもわかる。
どちらも納得できるような、良い案はないだろうか…
「えっとそうだよね…少し前向きに考えたいから、少しだけ時間、貰っていいかな?」
「うん、もちろんだよ…ごめんね」
結婚前に、結婚式や披露宴の形態なんかでカップルが揉めることがあるとよく聞くが、それは本末転倒だ…。
とりあえず、その場では真由の意見の承諾も拒否もせずなんとなく保留し、俺は即答を避けた。
それは、真由の兄との対面を済ませてから数日後のこと。
会社近くの店で真由とともにランチを済ませて珈琲を飲んでいると、突然真由がそんなことを言い出した。
「な… なんで…!? そんな… 真由… … どうして…いきなりそんな…」
俺は動揺を隠せない。
膝が震えそうになるのを、必死に両手で抑えつける。
なんでいきなり… そんな…
気持ちが変わったのか…?
先日真由の兄に挨拶も済ませたばかりで、何もかもが順調だと思っていたのに…。
真由を真っすぐに見つめると、真由は微笑みながらこちらを見ている…。
・・・・ ? あれ ・・・・
「あー--!!ごめんなさい!!清春さん…私の説明不足だ。あの、あのね!!結婚、はする!」
「…は…?」
「結婚はするの!絶対したいの…!入籍はしたい!でもね… あの、お式とか披露宴とかをね…」
「…え…?」
「あの…結婚式とか披露宴とか…つまりお披露目を、しないでいいかなって…できればしたくないなって思ってて…」
「…へ…?」
俺はなかなか、その先の言葉をうまく紡げないでいた…。
取り敢えず良かった… そういう意味だったのか…、なんだ…。
「あの…私、両親がいないし、親戚も遠方なのよね。
そうなるとまともに招待できる親族は兄だけ…それ以外は友人と職場の同僚だけってなるとその…ほら、清春さんのご家族・親族の方とも数が合わないっていうか、バランスが少し…ね…」
「ああ… そういう、ことか… なるほど…」
俺はふと、考える…
俺は一人っ子で、両親はまあまあ、いい年だ…。
実家に帰るたびにそろそろいい人はいないのかと聞かれ、
この前遂に、結婚したい人がいると…真由という恋人がいると伝えた時のあの、二人の悦びよう…。
真由に会ってもいないのに、結婚式はいつになるのか、おまえのタキシード姿が楽しみだとかなんとか…
嬉しそうに顔をほころばせて笑っていたっけ。
なのに… 結婚式も披露宴もしない…
二人ががっかりするのは目に見えていた… だが真由の気持ちもわかる。
どちらも納得できるような、良い案はないだろうか…
「えっとそうだよね…少し前向きに考えたいから、少しだけ時間、貰っていいかな?」
「うん、もちろんだよ…ごめんね」
結婚前に、結婚式や披露宴の形態なんかでカップルが揉めることがあるとよく聞くが、それは本末転倒だ…。
とりあえず、その場では真由の意見の承諾も拒否もせずなんとなく保留し、俺は即答を避けた。
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