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清春編
約束の日
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肌寒くなってきた11月初旬
真由の兄と、初めて対面する日がやってきた。
俺は極度に、緊張していた。
そしてやはり、真由も緊張しているように見えた。
まだ、約束の時間まで30分程度余裕があったが、お互い緊張のためか他で時間を潰す気にもならず、俺と真由は早めにホテルのレストランの個室で真由の兄を待っていた。
真由の表情が、なんとなく暗い。
なぜなんだ…。
血が半分は繋がっている実の兄…
子供の頃の兄弟の思い出を楽しそうに話していたのに、そういえば、なぜか…両親が亡くなった後の兄弟間の話を、いっさい聞かない。
自分の両親が、突然の交通事故で他界する…
確かに、容易に想像できることではないし、自分が真由の立場に立てば、きっと憔悴してしまうに違いない衝撃の出来事だ。
おそらく真由とその兄に、想像を絶するほどの相当の苦労があったに違いない…。
だから…なのか…?
「真由、 大丈夫…?顔色、あまり良くないように見えるけど…」俺は真由にそう、声を掛ける。
「…うん、大丈夫大丈夫。さすがにやっぱり清春さんとお兄ちゃんの初・対面だからさ…ちょっと緊張してるだけだよ。」
「そう…?確かにね…俺も緊張してるよ、かなりね…でも、大事な真由との結婚の報告だからね…失敗しないように頑張るよ。」
「うん…ありがとう、清春さん…」
真由が、俺を見てふわりと微笑む。
この笑顔を…心の底から、守りたいと思った…。
両親がいないなら…
俺が、きっとこの笑顔を守り抜いてみせる。
俺は密かに、自分自身に誓う…。
「…お客様、お連れさまはこちらにお入りです…」
突如、廊下から足音と、女性の声が聞こえてどきりとする。
「ああ…ありがとうございます。」
低く、優し気な声が、その言葉に続く…。
来た… 真由の兄だ…。
真由の兄と、初めて対面する日がやってきた。
俺は極度に、緊張していた。
そしてやはり、真由も緊張しているように見えた。
まだ、約束の時間まで30分程度余裕があったが、お互い緊張のためか他で時間を潰す気にもならず、俺と真由は早めにホテルのレストランの個室で真由の兄を待っていた。
真由の表情が、なんとなく暗い。
なぜなんだ…。
血が半分は繋がっている実の兄…
子供の頃の兄弟の思い出を楽しそうに話していたのに、そういえば、なぜか…両親が亡くなった後の兄弟間の話を、いっさい聞かない。
自分の両親が、突然の交通事故で他界する…
確かに、容易に想像できることではないし、自分が真由の立場に立てば、きっと憔悴してしまうに違いない衝撃の出来事だ。
おそらく真由とその兄に、想像を絶するほどの相当の苦労があったに違いない…。
だから…なのか…?
「真由、 大丈夫…?顔色、あまり良くないように見えるけど…」俺は真由にそう、声を掛ける。
「…うん、大丈夫大丈夫。さすがにやっぱり清春さんとお兄ちゃんの初・対面だからさ…ちょっと緊張してるだけだよ。」
「そう…?確かにね…俺も緊張してるよ、かなりね…でも、大事な真由との結婚の報告だからね…失敗しないように頑張るよ。」
「うん…ありがとう、清春さん…」
真由が、俺を見てふわりと微笑む。
この笑顔を…心の底から、守りたいと思った…。
両親がいないなら…
俺が、きっとこの笑顔を守り抜いてみせる。
俺は密かに、自分自身に誓う…。
「…お客様、お連れさまはこちらにお入りです…」
突如、廊下から足音と、女性の声が聞こえてどきりとする。
「ああ…ありがとうございます。」
低く、優し気な声が、その言葉に続く…。
来た… 真由の兄だ…。
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