【完結・R18】鉄道の恐怖

もえこ

文字の大きさ
上 下
104 / 544
清春編

冗談

しおりを挟む
「あ…もうこんな時間だ…そろそろ、帰りましょうか…」

時間はもう、9時を過ぎていたので、真由にそう声を掛けた。

「… 今日は、帰りたくないです… 私… 」

「え… ??」その真由の台詞に、少し驚く俺…。

「ふふ… なーんてねっ…!少しくらいドキっとしてくれましたか?坂下さん…」

真由が悪戯っ子のような目をして、俺に笑いかける。
なんだ…冗談か…

少しどころか、かなりドキリとしたよ…
内心、そう思いつつ、
「いえ…でも…俺とかにはいいですけど、冗談でだれかれ構わずは、言わないほうがいいと思いますよ…」

「え…?」真由が俺を見上げる。

「いや…あの、その…帰りたくないってその台詞…よくドラマとか小説とかに出てくるじゃないですか…女が別れ際、好きな男に言う定番の言葉っていうか…だからあの…冗談で何とも思っていない男に言うのは、危険かなと… 」

「… はい、…確かにそうですね… 気を付けます…。」
真由が俺を真っすぐに見つめて、素直にそう答える。

「じゃあ、お休みなさい… 」
「おやすみ… 」

俺たちは互いにそう挨拶をして、駅前であっさりと別れた。


それにしても、真由の家族…  兄… 
その話題は何か、まずかったのだろうか…
 
その時の真由の態度が、気になって仕方ない…。
真由の綺麗な瞳の奥に…一瞬だけ、暗い影を、見たような気がした…

 家族との間に、何か…大きな悩みや、問題を抱えているのだろうか…

それにしても、真由に… 
あの、人もうらやむ美貌とスタイルを兼ね備え、なおかつ人懐っこく明るい性格の真由に… 
今、彼氏がいないなんて…  信じられない話だ…。

明日、きちんと先輩に報告せねばという気持ちとともに…  実は、

自分自身が少しだけホッとしている気持ちを抱いていることに
俺は、必死に気付かないふりをした…。











しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

体育教師に目を付けられ、理不尽な体罰を受ける女の子

恩知らずなわんこ
現代文学
入学したばかりの女の子が体育の先生から理不尽な体罰をされてしまうお話です。

保健室の秘密...

とんすけ
大衆娯楽
僕のクラスには、保健室に登校している「吉田さん」という女の子がいた。 吉田さんは目が大きくてとても可愛らしく、いつも艶々な髪をなびかせていた。 吉田さんはクラスにあまりなじめておらず、朝のHRが終わると帰りの時間まで保健室で過ごしていた。 僕は吉田さんと話したことはなかったけれど、大人っぽさと綺麗な容姿を持つ吉田さんに密かに惹かれていた。 そんな吉田さんには、ある噂があった。 「授業中に保健室に行けば、性処理をしてくれる子がいる」 それが吉田さんだと、男子の間で噂になっていた。

今日の授業は保健体育

にのみや朱乃
恋愛
(性的描写あり) 僕は家庭教師として、高校三年生のユキの家に行った。 その日はちょうどユキ以外には誰もいなかった。 ユキは勉強したくない、科目を変えようと言う。ユキが提案した科目とは。

獣人の里の仕置き小屋

真木
恋愛
ある狼獣人の里には、仕置き小屋というところがある。 獣人は愛情深く、その執着ゆえに伴侶が逃げ出すとき、獣人の夫が伴侶に仕置きをするところだ。 今夜もまた一人、里から出ようとして仕置き小屋に連れられてきた少女がいた。 仕置き小屋にあるものを見て、彼女は……。

ぽっちゃりOLが幼馴染みにマッサージと称してエロいことをされる話

よしゆき
恋愛
純粋にマッサージをしてくれていると思っているぽっちゃりOLが、下心しかない幼馴染みにマッサージをしてもらう話。

鐘ヶ岡学園女子バレー部の秘密

フロイライン
青春
名門復活を目指し厳しい練習を続ける鐘ヶ岡学園の女子バレー部 キャプテンを務める新田まどかは、身体能力を飛躍的に伸ばすため、ある行動に出るが…

イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?

すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。 翔馬「俺、チャーハン。」 宏斗「俺もー。」 航平「俺、から揚げつけてー。」 優弥「俺はスープ付き。」 みんなガタイがよく、男前。 ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」 慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。 終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。 ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」 保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。 私は子供と一緒に・・・暮らしてる。 ーーーーーーーーーーーーーーーー 翔馬「おいおい嘘だろ?」 宏斗「子供・・・いたんだ・・。」 航平「いくつん時の子だよ・・・・。」 優弥「マジか・・・。」 消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。 太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。 「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」 「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」 ※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。 ※感想やコメントは受け付けることができません。 メンタルが薄氷なもので・・・すみません。 言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。 楽しんでいただけたら嬉しく思います。

王女、騎士と結婚させられイかされまくる

ぺこ
恋愛
髪の色と出自から差別されてきた騎士さまにベタ惚れされて愛されまくる王女のお話。 性描写激しめですが、甘々の溺愛です。 ※原文(♡乱舞淫語まみれバージョン)はpixivの方で見られます。

処理中です...