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清春編
セクハラ
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「お疲れ様でした~~!」
「お疲れ様です…」
真由は笑いながら高らかにグラスをかかげ、乾杯の声を発した。
「は~~美味しい…仕事の後のお酒は最高ですね~坂下さん。」
「…ですね… ビールが美味い…」
俺は、真由がネットで検索して見つけたという、和風居酒屋の店に来ていた。
残念ながら対面の席は空いておらず、カウンターしか空いていなかったため、俺と真由は横並びに肩を並べて座るよりほかなかった。
真由との距離がなかなかに近く、真由が俺の方を見て話すたびに、ドクドクと鼓動がなった。
真由は明るい性格で、いつも楽し気な話題を提供してくれるから一緒にいてとても楽な女だった。
自分から話すことがそう得意ではない俺にとっては格好の飲み相手かもしれない。
真由との二人きりでの食事など初めてのことで、最初は緊張していたものの、
酒の力も借りて次第にその状況に慣れていき、俺はいつもの調子で真由の話に耳を傾けていた。
「この鳥刺し、凄く新鮮~美味しいですよ、坂下さんも食べてみてください。」
真由が鳥刺しの皿を俺に近付ける。
「…うん…美味しいね!これはいける…」
俺も段々と陽気になり、鳥刺しをつついていた時に、はっと思い出す。
そうだ…
真由に好きな人が… 彼氏などがいるのかどうか、聞かねばならなかった…
今日を逃すとまた職場に舞い戻る…
ますます聞けなくなる可能性があると思った俺は、遂に口を開いた。
「あの…栗原さんって、好きな人…とか…あの、彼氏とかっていたりするのかな…?」
「… … え … …?」
俺の質問を聞いて、あからさまに目を丸くする彼女。
すぐそこ…の、近距離で、綺麗な目鼻立ちをした女、真由が俺を見つめている。
そうだ…もしかして…これは…
今更ながらに、この質問は…セクハラの類にあたるのだろうか…
今のご時世… これはアウトかもしれない。
浅はかだったな… 俺は途端に、後悔し始める…
「どうして…そんなこと、聞くんですか…?坂下さん…」
右を向くと、真由の大きくて綺麗な目が、濡れたように潤んでいて
ドキリとした
「お疲れ様です…」
真由は笑いながら高らかにグラスをかかげ、乾杯の声を発した。
「は~~美味しい…仕事の後のお酒は最高ですね~坂下さん。」
「…ですね… ビールが美味い…」
俺は、真由がネットで検索して見つけたという、和風居酒屋の店に来ていた。
残念ながら対面の席は空いておらず、カウンターしか空いていなかったため、俺と真由は横並びに肩を並べて座るよりほかなかった。
真由との距離がなかなかに近く、真由が俺の方を見て話すたびに、ドクドクと鼓動がなった。
真由は明るい性格で、いつも楽し気な話題を提供してくれるから一緒にいてとても楽な女だった。
自分から話すことがそう得意ではない俺にとっては格好の飲み相手かもしれない。
真由との二人きりでの食事など初めてのことで、最初は緊張していたものの、
酒の力も借りて次第にその状況に慣れていき、俺はいつもの調子で真由の話に耳を傾けていた。
「この鳥刺し、凄く新鮮~美味しいですよ、坂下さんも食べてみてください。」
真由が鳥刺しの皿を俺に近付ける。
「…うん…美味しいね!これはいける…」
俺も段々と陽気になり、鳥刺しをつついていた時に、はっと思い出す。
そうだ…
真由に好きな人が… 彼氏などがいるのかどうか、聞かねばならなかった…
今日を逃すとまた職場に舞い戻る…
ますます聞けなくなる可能性があると思った俺は、遂に口を開いた。
「あの…栗原さんって、好きな人…とか…あの、彼氏とかっていたりするのかな…?」
「… … え … …?」
俺の質問を聞いて、あからさまに目を丸くする彼女。
すぐそこ…の、近距離で、綺麗な目鼻立ちをした女、真由が俺を見つめている。
そうだ…もしかして…これは…
今更ながらに、この質問は…セクハラの類にあたるのだろうか…
今のご時世… これはアウトかもしれない。
浅はかだったな… 俺は途端に、後悔し始める…
「どうして…そんなこと、聞くんですか…?坂下さん…」
右を向くと、真由の大きくて綺麗な目が、濡れたように潤んでいて
ドキリとした
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