【完結・R18】鉄道の恐怖

もえこ

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清春編

天真爛漫

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俺と真由はもともと同じ会社で働いていた。

だが部署が違ったので、真由という存在は知っていても、なかなか直接話す機会などなかった。

だが、ある女性職員の出産予定に伴い、俺が時期外れの11月に真由のいる企画開発部に異動することになった。

「初めまして!栗原真由と言います、なんでも聞いてくださいね。よろしくお願いします。」
真由は、俺が部署に配属された初日、眩しいほどの明るい笑顔で俺にそう声をかけた。

その後、その最初の言葉通り、真由は右も左もわからない俺に対し、手取り足取り業務内容を教えてくれた。

いくつも年下なのに、嫌な顔ひとつせず、本当に真剣に一つ一つ、丁寧に仕事を教えてくれた。

周りの男が…いや、女も…真由のことを好いているのがよくわかった。
いつも一生懸命で、人に親切で…天真爛漫。
 尚且つ、人も羨む美貌を兼ね備えている…。

嫌いになる要素がないのだ。

「坂下さんって、背が高いですね…!筋肉もすごい!!ちょっと触ってみていいですか…?」

たまにある飲み会では、隣に座った俺にそんな風に屈託なく笑いかけ、俺の腕にいきなり、触れてきた。
俺は正直、タジタジだった。

「…!わ!やっぱり、堅い…!鍛えてるんですか…?」
「いや… あの、たまに家で筋トレしてるだけです…けど…」
「えーー!すごい…それだけで、こんな逞しいなんて…ほら…カチカチ、ですよ… ここ、なんて…ふふ…」
「…あ、いえいえ…別にたいしたことは…」

いきなり、腕に…真由のほっそりとした白い手が触れて…
どきりとしないわけがない…。
俺は真由が微笑みながら手を離した後も…緊張していた。

俺は全く気づいていなかったが… 
真由が俺に何かと構うたびに、周りにはかなり攻撃的な目で見られていたようだ。

それほどに真由を狙う男は多かったようで、俺は同僚に言われるまで、そのことに全く、気づいていなかった。

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