88 / 544
帰宅
しおりを挟む
帰りの電車にどうにか、乗り込む。
8時過ぎ…まだまだ電車内は混んでいたが、身体が辛くてボックス席のひとつだけ開いている席に座る。
即座にラインを開き、夫からの連なるメッセージを既読にする。
『ごめんなさい…仕事のトラブルで突然残業になって…連絡する時間すらなくて…ごめん、今日は出前でも頼んでて…着くのが9時近くにはなりそうだから…』
すぐさま考えていた、言い訳を打ち込む。
その後…すぐに既読になり、返事が来る。
『っちっ…それならそれで、連絡くらいしろよ…こっちは状況わからず、イライラすんだろーが…飯はもう、食べた…出前とったから…もういいわ』
空腹が満たされたのか、少し落ち着いた内容の返事が来て、心底ほっとする。
これから帰宅して、夫と喧嘩など…もう、する気力も体力も…私には残っていなかった…
頭も段々と冷静になり、今度は携帯を確認する。
今日の午後に1通だけ…おそらく男といた時間に…1通だけ、清春から連絡が来ていた。
男に盗聴されたであろうあの夜に清春と会って以降、再びしばらくの間、清春と連絡が途絶えていたのだ。
こちらからの連絡は控えていたのだが、やっと、仕事が落ち着いたのだろうか…
もしくは、清春の妻のことで…何か私に…?
ともかくも今日、私に起きたことをできるだけ早く清春にも知らせねば…本能で、そう感じた…。
真由の兄である男の脅迫と…盗撮、盗聴… これからの選択肢…
私にされた淫らな…行為と… 色々がないまぜになり…頭が混乱していた…
メッセージを開くと、こう書いてあった。
『すみません…ここ数日携帯の調子が悪くて連絡遅くなりました。落ち着いたらまたこちらから、連絡します』
ただ、それだけの連絡だった…。
タイミングが悪い…
今すぐ、土曜日までに清春に話をしたいと思っていた私は、肩透かしを食らったような気になる。
たまらず打ち込む。
『…坂下さん…私、すぐに話したい…相談したいことがあります、色々と…」
送信ボタンを押すが、すぐに既読にはならない。
ああ…とりあえず、家に帰ろう…。
私は肩を落として…痛む身体を引きずるようにしながら、自宅最寄り駅のホームに降り立った。
8時過ぎ…まだまだ電車内は混んでいたが、身体が辛くてボックス席のひとつだけ開いている席に座る。
即座にラインを開き、夫からの連なるメッセージを既読にする。
『ごめんなさい…仕事のトラブルで突然残業になって…連絡する時間すらなくて…ごめん、今日は出前でも頼んでて…着くのが9時近くにはなりそうだから…』
すぐさま考えていた、言い訳を打ち込む。
その後…すぐに既読になり、返事が来る。
『っちっ…それならそれで、連絡くらいしろよ…こっちは状況わからず、イライラすんだろーが…飯はもう、食べた…出前とったから…もういいわ』
空腹が満たされたのか、少し落ち着いた内容の返事が来て、心底ほっとする。
これから帰宅して、夫と喧嘩など…もう、する気力も体力も…私には残っていなかった…
頭も段々と冷静になり、今度は携帯を確認する。
今日の午後に1通だけ…おそらく男といた時間に…1通だけ、清春から連絡が来ていた。
男に盗聴されたであろうあの夜に清春と会って以降、再びしばらくの間、清春と連絡が途絶えていたのだ。
こちらからの連絡は控えていたのだが、やっと、仕事が落ち着いたのだろうか…
もしくは、清春の妻のことで…何か私に…?
ともかくも今日、私に起きたことをできるだけ早く清春にも知らせねば…本能で、そう感じた…。
真由の兄である男の脅迫と…盗撮、盗聴… これからの選択肢…
私にされた淫らな…行為と… 色々がないまぜになり…頭が混乱していた…
メッセージを開くと、こう書いてあった。
『すみません…ここ数日携帯の調子が悪くて連絡遅くなりました。落ち着いたらまたこちらから、連絡します』
ただ、それだけの連絡だった…。
タイミングが悪い…
今すぐ、土曜日までに清春に話をしたいと思っていた私は、肩透かしを食らったような気になる。
たまらず打ち込む。
『…坂下さん…私、すぐに話したい…相談したいことがあります、色々と…」
送信ボタンを押すが、すぐに既読にはならない。
ああ…とりあえず、家に帰ろう…。
私は肩を落として…痛む身体を引きずるようにしながら、自宅最寄り駅のホームに降り立った。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
70
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる