【完結・R18】鉄道の恐怖

もえこ

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交渉

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「あ…の、話はよくわかりました…私と…清春さんが…貴女の大事な真由さんを深く傷付けてしまったということですよね…」

本当はこの場面ですぐに謝罪すべきだったのかもしれないが、すんなりと言葉が出てこないことに気付く。

もはや、口で一言、すみませんと謝って済む問題ではないことが身に染みてわかっていたからだ。

恐らくここで男に謝ったところで、男の感情を逆撫でしてしまう…そんな気がした。

「…あの…すみません、ちょっと清春さんと話をしてもいいでしょうか…?」言葉を切って男を見る。

「私は前に彼と会ったのを最後に、ここ数日間…彼とは何も話せていません…。
清春さんはまだ、私があなたと接触したことを知らずにいますし、真由さんの自殺…未遂や入院の件も…私が知らないままだと思っています…

だから…できれば…彼にそのことを話した上で、彼がどういう風に考えているのか落ち着いて話してから、そこで結論を…出せるかわかりませんが、きちんと考えます…

とにかく今すぐ…二つの選択肢から決めろと…言われても…あっ…!…いっ…」

話の途中で、男に強い力で手首を掴まれる。
痛い…

「…ふふ…だから貴女は、甘いんですよ…どうやら頭が…お花畑のようですね…?私が、貴女のその申し出を聞いて、はいそうですか、では清春とゆっくり相談してから決めてください…

…なんて、この状況で言うと思いますか…?

不貞行為をして真由を苦しめている貴方がたに、そんなゆっくり相談して決める権利なんてありませんよ?

今すぐ、即…ご自分の判断で決めてください。その答え次第で、私は準備に取り掛かります…もっとも…」

「あ…え、いや…な…なんですか…!?」

男が私の腕をつかみソファーから引きずるように立たせたうえで、そのままま近くのベッドへ押し倒す。
ギシリと…スプリングが音を立てる。

「いやっ…!な…何…や…やめてっ…」
驚きに短く叫ぶ。

「貴女をまず、滅茶苦茶に抱いてからにします…。

その方が、貴女も判断しやすいでしょう?気持ちがよかったら、私のモノになるのは、貴女にとって願ったり叶ったり…そうでなければ、後者を選べば良い…」

ゾッっとした…

「いや…やめて…!お願いです…、乱暴はやめてっ…待っ…て…考え…っんンっ…ん…」

男が私の上にのしかかってきたかと思うと、無理やりに…唇を塞がれる…
ワインの香りが…私の身体にまとわりつく…

ああ…清春さん… いや…いや…

           誰か…あ…あ…




















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