【完結・R18】鉄道の恐怖

もえこ

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混乱

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ああ…清春はなぜ…あの日あんなに激しく私を抱いたのか…わかったような気がした…。
清春もまた…混乱していたのだ…心を乱していたのだ。

真由をそこまで追い詰めたこと…私とのこと…色々な感情が混乱して、交錯して…そしてまた私にも告げることができずに…身体だけが暴走したのだ…

不器用で…どこまでも優しい…
        そして、残酷な男。

妻を自殺に追いやった原因となる私を…どんな理由があるにせよ、どんな…激情があったにせよ、再び…抱いたのだから。

はたと、気付く…

この…今も私を鋭い目つきで凝視しているこの男は…
全てを知っているのだ…。
真由が病院でまだ生死を彷徨っているその瞬間に、清春が私と再び会い、あんなにも激しく…抱き合ったことを。

ああ…この男が真由のなんなのかはわからないままだが、真由を大事に思う側の人間であれば…
確かにこの男の持つ憎しみ…憤りの大きさがわかった気がした。

「…今、何を考えていますか…?私が何者か…、まあ、そんな分析でしょうか…これから明かしますよ…それから、貴女に対する脅迫に移りますから、覚悟してください…ね」

男が、暗い表情で笑う。

もう、この男からは逃げられないし、
もはや…逃げてはいけない気がした。

私は罪を犯した。

この男に何を言われようとも、
当然の報いなのかもしれないと…

そう思った自分が、確かにそこにいた。
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