54 / 544
寝耳に水
しおりを挟む「詳しくお伝えしましょう…。私が清春の尾行を始めて10日程経った頃、清春が真っすぐに家に向かわずに…別の方向へ向かったのです。最初は、買い物か…もしくは清春も少しは自分の時間を持ちたいのかと、ひとりで飲みにでも行くのかと思いましたが…まさかの…ホテル街へ…消えていきました。ただ…あなた方は用意周到だったのか、決して二人そろってホテルに入ることはなかった…だからまあ、最初は苦労しましたよ。清春の相手を特定するのには、だいぶ時間を要しました。」
そこまで言い切って、男はまた、チョコレートに手を伸ばす。
「まあ…最初に英会話教室に目をつけたのが正解でしたね。貴女と清春が何度も楽しそうに教室を出ていくのを目にしてから、清春の相手は貴女ではないかと、疑うようになりましたから…それで、ある日、やっと二人が繋がりました。」
「とにかく、私はあなた方の不適切な関係をつきとめたわけです。まあ、世間で言うダブル不倫ですからね…お互いの伴侶を裏切って成り立つ恋愛関係なんて、許されるものではないでしょう。私は…真由を悲しませるのがわかっていたので、真由にこの事実を伝えるかしばらくの間迷いましたが…苦渋の決断で、報告することにしました。」
男が突如、苦しそうな表情になり、自分の拳を握りしめる…。
「それが失敗だったのかもしれない…真由はその事実を知った後…ほどなくして、自殺をはかったのです。」
… え … 今 …この男はなんと… 言った…?
「その表情…やはりそうでしたか…貴女、清春から…本当に何も…聞いていないんですね…」男があからさまに、ため息をつく。
「真由は…恐らくあなた方の裏切りを苦にして…ある夜自殺を図りました…そしていまだに…意識が戻らず、病院で生死の境をさまよっていますよ…? 清春は…本当に馬鹿な男だ…貴女に知らせていないとは…正直私も驚きましたね…」
清春の妻が… 自殺をはかった…
全く…寝耳に水の話だった…
清春は何も…言わなかった…
私はショックのあまり…言葉を失った…
0
こちらの作品は、ホラー・ミステリー大賞に応募しています。投票いただけると嬉しいです。よろしくお願いいたします。
お気に入りに追加
74
あなたにおすすめの小説
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/essay.png?id=5ada788558fa89228aea)
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?
すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。
翔馬「俺、チャーハン。」
宏斗「俺もー。」
航平「俺、から揚げつけてー。」
優弥「俺はスープ付き。」
みんなガタイがよく、男前。
ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」
慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。
終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。
ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」
保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。
私は子供と一緒に・・・暮らしてる。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
翔馬「おいおい嘘だろ?」
宏斗「子供・・・いたんだ・・。」
航平「いくつん時の子だよ・・・・。」
優弥「マジか・・・。」
消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。
太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。
「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」
「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」
※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。
※感想やコメントは受け付けることができません。
メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。
楽しんでいただけたら嬉しく思います。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる