【完結・R18】鉄道の恐怖

もえこ

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一室

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ああ…幸せだ…もっと…何度でも…私を抱き締めて…


ゆっくりと目を開く…レトロな照明が天井に張り付いている。

 …ここは…?


夢を見た…

清春との…逢瀬…
熱い身体の交わり…
何度も激しく唇を塞がれ、身体の奥深くまで貫かれながら、繰り返される愛の言葉…

清春はいつも、情熱的に私を愛してくれた。

英会話教室で会って話していた時の冷静で落ち着いた彼とは全く正反対の熱量で…激しく…優しく…

仕事も忙しく、最近彼に会えていないから…余計に…恋しかった…でも清春とたった今、夢で逢えた…  

 …ああ… 清春… 清春に会いたい…


 …ガチャリと… ドアが開く音がする。

音のした方を見ると、入口のところに背の高いサングラスの男が立っていた… 

今朝からのことを思い出し、一気に現実に引き戻される。 

「あ…やっと、起きましたか…?貴女…いきなりあのタイミングで倒れるなんて…驚くじゃないですか…全く…」
男が買い物袋らしきものを小さなテーブルに置く。

…誰のせいだ… 
ホテルでの画像を見せられ…私と清春の…情事の音声データを聞かされ…普通にしていられる方がおかしい。

私は慌てて身を起こす…こんな状況で、服を着ていることに安心する…が、まだ少し…頭が痛い…。

どうやらホテルの一室のようだった…

「あ…あの…」


「…貴女、本当に具合悪そうだから、とにかく…何かお腹に入れてください。そんなでは、落ち着いて話も出来ない…とりあえず適当に買ってきました。まずは食べてください。本題はその後にしましょう。仕方がないから…私は30分ほど退出します。あ…もう一度だけ言いますが…もはや逃げても無駄ですよ…では、ごゆっくり…」

バタン…ドアが閉まる音。

…力が出なかった…私は男の言うとおりにしようと考えた。

空腹を満たし、今日…すべての話を聞く… 

恐ろしい男だが…もう、そうするしかない…。
 
私はビニール袋に手を伸ばした。











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