【完結・R18】鉄道の恐怖

決意

それから私は、
毎日乗る電車の時間を、車両を…

あわよくば別人に見える様に、服装や持ち物までをも…さまざまに変化させた。

そのような小さな努力をしながら２週間ほど実験を繰り返したが、
やはり男は…どこからともなく、私のいる車両にやってくる。
今朝もそうだった…

そして、私の視界に入る、至近距離に座る…私を凝視する…笑う…

そして、いつもと同じように私の姿を目の端にとらえながら、
ひとつ前の駅で下車する…　

その繰り返しだった。


ああ…駄目だ…もう、いい加減家族に相談してみようか…
本当にあの男が電車ストーカー…とかいう…そういう類のものだとしたら…
私はいつ、不意を突いて襲われてもおかしくない…

もしかしたら…既にもう、ネットにも書かれていたようなこと
…想像もしたくないが、自宅の場所すら…把握されているのではないか…

帰り道…背後で私を、監視していたり…？


　そんなことは…さすがにないと信じたい…

　でも、絶対にないとは言い切れないのが、怖い…。


私は決意する…

明日の朝、また…もし男に会うことがあれば…もう、我慢するまい。
家族に相談しよう…

明日の夜、なんとか時間を作ってもらい…これまでのことを、メモを見せながら説明しよう。

家族だから…親身に聞いてくれるに違いない…
そしてなにか、助言をもらえるかもしれない。


そう、心に決めた私は、その日の夜、久しぶりによく眠ることが出来た。