【完結・R18】鉄道の恐怖

もえこ

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実験

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目的の降車駅までは30分程度…

私は音楽を聴きながらも、周りに神経を集中させる。

今日、ざっと見たところ、ホームにあの男はいなかった。

もしかしたら今日は、乗っていない可能性もある。

そんな風に勝手に自分のいいように解釈しながら、
スマホの音楽を変えようとしたとき、

ザッザッ…と、
随分遠くで、聞き覚えのある足音がした、…気がした。

ドキリと…心臓が鳴る…あの音は…前に聞いたことがある。

あの、足を少し引き摺るような、足音… 特徴的な足音…


怖くて後ろを振り向くことが出来ない… 
でも…もしかしたら…あの足音は…

…考えている間にも、   

ザッ…ザッ…  その音が近づいてくる…

あの音は…やはり、あの男…あのサングラスの男の足音…きっと、そうだ…

私の背後…すぐ…近くまで、その音が近づく。
ほんの一瞬だけ、通路に視線を走らせると…やはり、あの男…だった…
サングラスをかけて、こちらを見ている…その口元がいやらしく、にやついている…

気持ちが悪い…なんで…? …?

やっぱり…乗車していたのか…ホームの…どのあたりにいたのか、さっぱりわからなかった…

ドサリ… 荷物を座席に置く音…。 え…?

私のすぐ後ろの座席に…その男は座った… 

この車両は私が乗るいつもの車両とは違う、一番最前列の車両なのに…

なぜ…わざわざ、ここまで移動して来て…私の近くに座るのか…

本当に、意味が分からない…


この男は…

やはり私を狙って…

今日この…

一両目の車両まで、わざわざ移動してきたのだろうか…











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