【完結・R18】鉄道の恐怖

もえこ

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移動

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男が立ち上がった… 

ドキリと心臓がなる…

席を、移動するのだろうか… 車内は相変わらず閑散としている。

…どこに座るつもりなのか…
車両を変えるのか、それとも、次の駅で降りるのか… 

       鼓動が早くなる。

私は男の動きに気付かないふりをしながら、何気なく窓の外の景色を見る…ふりをする。

程なくして、…ざっと…荷物を置いて、男が座席に座る音がした…

          え…?

男が…通路を挟んでだが、私と同じ列の席に…座った。

           
     なぜ…わざわざこの列に…?

恐る恐る、通路を挟んだそちらを横目で、盗み見ると…

私の方に、つまり真横に首を向け…やはり、ニヤリと微笑んでいる。


ガラガラの車内で…

わざわざこの位置に移動してくる意味が、私には全く分からなかった…

                
               
           

           

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