【完結】僕のしたこと

もえこ

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いなくなる

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みさきちゃんはその後も一度も学校に来ず、他の街に引っ越していった。

引っ越す日の数日前に、僕はお父さんとお母さんと3人でみさきちゃんの家へ向かった。

今まで僕がしてきたことを、謝りたかった。どうしても直接会って…

本当は会うのが怖くて仕方がなかった。
でも、説明がしたかった。

本当は友達になりたかったって… それなのに、結果的に真逆のことをして、みさきちゃんを苦しめたこと。

…心から謝りたかった。


3人で玄関の呼び鈴を鳴らす。

「はい、どちら様でしょうか…?」家の人の返事。

「柴田と申します。突然で、大変申し訳ありませんが、少しだけお話させていただけませんか…?」

しばらく無言が続いた後、「…少しお待ちください」とだけ声がして、数分後、ガチャリとドアが開く。

「突然すみません…このたびは、うちの息子が…お宅の娘さんに… … … 」
お父さんとお母さんが頭を深々と下げる。僕もそれにならう。
でも、玄関に出てきていたのは、みさきちゃんのご両親だけ。

みさきちゃんはいない。

「あの…お嬢さんは…」お母さんが恐る恐る尋ねると、「すみませんが、みさきは出たくないと言うので」

にこりともせずに、みさきちゃんのお母さんが僕に向かっていうので、意味はわかった。

…そっか…そうだよね。

お父さんとお母さんと僕は、何度もぺこぺこと頭を下げて、玄関を後にした。

とぼとぼと3人、無言で数歩、歩いたところで、僕は不意に、気配みたいなものを感じて後ろを振りかえる。

そこに、みさきちゃんが立っていた。僕は驚いて後ずさりをする。


「柴田君、私、言っておきたいことがあるの。
              言うね?」


                               な… なに…?
   

          

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