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斗真のイブ

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加奈たちは俺に多分全てを、白状した。

俺がこの学校に来る前から…どうやら明里がこの学校に来てひと月も経たないうちから…イジメが始まっていたらしい。

明里の教科書を引き出しから盗んで…本人以外の人からは見えにくいところに敢えて悪口を連ね、上靴をわからないところに隠し…他の友人にも、あまり明里と喋らないように、みたいなことを言っていたとか…

ほんと、馬鹿みてえだ…
小学生レベル…いや、もはや小学生と言ったら現代の小学生に悪いな…
小学生以下の虐め…

俺は無言になる…

今まで明里は…
誰にも言わずにこんなことに、耐えてきたのだろうか…確かに誰か友達みたいなやつと一緒にいたり…親しげに話しているのを見たことがない…

俺はすぐ、荒川たちに誘われ、昼も教室を出るし、休み時間だって…様子を細かく見ていたわけじゃない…

明里がひとりで現状に耐えていたのかもしれないと思うと、俺は馬鹿で鈍感だなと…つくづく、思う。

「…斗真君… …ごめん、なさい…」

加奈たちが俺を怖いものでも見るかのように上目遣いで見上げる。

「…今話したことが全て…ならさ…、そもそも謝る相手が違うんじゃね…?」

「…う…うん…」現場を見られて、何も言えなくなったらしい。言葉が出ずに、固まった奴ら。

俺の目的は、加奈たちに謝らせることじゃない…いじめが悪いと正論を吐いてこいつらを説教することでもない…
目的はただ一つ。
明里への嫌がらせをただちにやめさせること。
それに尽きると判断した俺はこう言った。

「じゃあさ…これからはさ、今まで安達さんにしてきたこと、二度とやめてくんないかな。クラスメイトじゃん、そうしてくれたら、俺は嬉しいし、先生とか…安達さん本人にも、おまえらがしたことや目撃したことも言わない。ただ、もっかいそういうことあったら…今度は知らねえ、もう、何もかも話すことになるかも…。」

完全に脅しだ…でも、仕方ない。

こくりと頷く加奈たち。

よし… 明里ごめん…犯人は捕まえたが、あえて今…お前に明かすことはしない。とりあえずごめん…

俺は心中で明里にそう謝って、
      その場を後にした。











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