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23日

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「さっきはごめん…!なんか、皆に冷やかされちゃったね…ごめん、僕のせいで…」

関口くんが下駄箱にさしかかったところで、私にぺこりと謝る。

「ううん…全然、でも少しびっくりしちゃったね…なんか一斉に見られて…あ、それで関口くん…話っていうのは…なに…かな…?」

気になっていたことを、小さな声で口にする。

「あ…あの、えっとさ…実はその…あのさ…街の外れの…あそこ…に…」

「え…??あそこ…?」

「あ…えっとね、ごめん、あそこじゃわかるわけないよね…あの…、街の外れにさ…小さな、まるで図書館…みたいな、本屋があるんだ…」

そこで一旦、深呼吸をするみたいに言葉を切る関口くん…。

やっぱりかなり、緊張しているみたいだ…
私は彼を急かすことがないように、ゆっくり耳を傾ける。

「あの…そこはね、一応本屋だけど、…小さな机と椅子がいくつかあって、そこで本を読んだりお茶飲んだりできるようなスペースもあって…まあブックカフェ…みたいな、…あ!でもさ…、そんなお洒落ではないけど…そこに…そこにさ…」

「…うん…」

そこに、何だろう…私はドキドキしながら、関口くんの続きの話を待った。
まさか、そこに一緒に行こうと、誘われるのだろうか…いやまさか…私が男子に、誘われるはずなんて、あるわけない…

「安達さん本が好きみたいだから、今度時間のある時に、一緒に行ってみたいなって…」

「… …」え…嘘…?誘われた… 私が…?

「あ…えっと、すぐに返事はいいから…少し考えておいてくれないかな…?じゃ、僕ここで…!バイバイ!」
関口くんがそこまで言ったところで、恥ずかしかったのか…まるで脱兎のように勢いよく走り去る。

「う…うん、…じゃあ、また…」
私は遠くなった彼の後ろ姿に向かって、ボソリとつぶやいた…。





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