上 下
532 / 538
~杉崎~

想像

しおりを挟む
本当のところ、
彼女がさっき話した内容が、俺を確実に不快な気持ちにさせていた…。

もちろん、態度には一切出していない… 
きっと、出てはいないはずだ…。

すぐに、彼女の周りを取り巻く事態を把握し、紳士の仮面を装着した…
冷静沈着に、何も気にしていないようなフリをして会話を進めたが、内心は違う…。

心が、ざわざわする… 
胸の中が、ぐつぐつと煮えたぎるような感情…。

あの男…  

拓海が、わざわざ彼女を空港に迎えにくるという…

なぜ、彼女は正直に、到着時間を告げてしまったのか… 
そんなもの、適当に誤魔化せば、まだ…もう少し、彼女と一緒にいられたかもしれない…

いや、違う…彼女は全く悪くない…。
彼女だからこそ、拓海に、正直に伝えざるをえなかったのだ… 
彼女は、至極正しい…。

俺は、自嘲気味に笑う…

彼女が正しいとか正しくないとか、どんな立場で、俺は物を言っているのか…
とんだ、思い上がりだ…。

もう少し、一緒に居られただと…? 
彼女の彼氏でもない俺の…勝手な感情が…欲望が、ざわざわと胸にせりあがってくるようだ…。

俺は依然として、部外者のまま…

彼女を、二度…この腕の中に…抱いた… 
だけどそれは、横から奪う形に、過ぎない… 過ぎなかった… 

俺が部外者… 
善か悪かで言えば、完全に俺が、悪人なのだ…

彼氏が、出張から帰ってくる彼女を、空港に迎えに来る…
普通の…ごく普通の、彼氏、彼女の行動… 待ち合わせに過ぎない…。

なのになぜ、俺はここまで動揺しているのか…


答えはわかっている…。
どうしたって、その先を想像してしまうからだ…

彼女を迎えに来た拓海が、当然のように、彼女とともに、彼女の家に帰る…。

彼女はまだ、俺と同様、拓海に別れを告げていないと言っていた…。
拓海が突然来てしまった以上…今夜、彼女は拓海に面と向かって、そんな話をするのだろうか…
それとも、やはり前に言っていたように、福岡に彼女の方から赴き、その際に話すつもりだろうか…。

いや、話など、どうでもいい…。

いずれにしろ…
きっと…  ほぼ、間違いなく…

まだ若い、屈強そうに見えるあの男は…彼女を…ベッドに押し倒すに違いない…。





 



しおりを挟む
感想 13

あなたにおすすめの小説

小さなことから〜露出〜えみ〜

サイコロ
恋愛
私の露出… 毎日更新していこうと思います よろしくおねがいします 感想等お待ちしております 取り入れて欲しい内容なども 書いてくださいね よりみなさんにお近く 考えやすく

BL団地妻-恥じらい新妻、絶頂淫具の罠-

おととななな
BL
タイトル通りです。 楽しんでいただけたら幸いです。

イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?

すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。 翔馬「俺、チャーハン。」 宏斗「俺もー。」 航平「俺、から揚げつけてー。」 優弥「俺はスープ付き。」 みんなガタイがよく、男前。 ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」 慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。 終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。 ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」 保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。 私は子供と一緒に・・・暮らしてる。 ーーーーーーーーーーーーーーーー 翔馬「おいおい嘘だろ?」 宏斗「子供・・・いたんだ・・。」 航平「いくつん時の子だよ・・・・。」 優弥「マジか・・・。」 消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。 太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。 「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」 「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」 ※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。 ※感想やコメントは受け付けることができません。 メンタルが薄氷なもので・・・すみません。 言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。 楽しんでいただけたら嬉しく思います。

騙されて快楽地獄

てけてとん
BL
友人におすすめされたマッサージ店で快楽地獄に落とされる話です。長すぎたので2話に分けています。

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

イケメン社長と私が結婚!?初めての『気持ちイイ』を体に教え込まれる!?

すずなり。
恋愛
ある日、彼氏が自分の住んでるアパートを引き払い、勝手に『同棲』を求めてきた。 「お前が働いてるんだから俺は家にいる。」 家事をするわけでもなく、食費をくれるわけでもなく・・・デートもしない。 「私は母親じゃない・・・!」 そう言って家を飛び出した。 夜遅く、何も持たず、靴も履かず・・・一人で泣きながら歩いてるとこを保護してくれた一人の人。 「何があった?送ってく。」 それはいつも仕事場のカフェに来てくれる常連さんだった。 「俺と・・・結婚してほしい。」 「!?」 突然の結婚の申し込み。彼のことは何も知らなかったけど・・・惹かれるのに時間はかからない。 かっこよくて・・優しくて・・・紳士な彼は私を心から愛してくれる。 そんな彼に、私は想いを返したい。 「俺に・・・全てを見せて。」 苦手意識の強かった『営み』。 彼の手によって私の感じ方が変わっていく・・・。 「いあぁぁぁっ・・!!」 「感じやすいんだな・・・。」 ※お話は全て想像の世界のものです。現実世界とはなんら関係ありません。 ※お話の中に出てくる病気、治療法などは想像のものとしてご覧ください。 ※誤字脱字、表現不足は重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけると嬉しいです。 ※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・すみません。 それではお楽しみください。すずなり。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

パンツを拾わされた男の子の災難?

ミクリ21
恋愛
パンツを拾わされた男の子の話。

処理中です...