【完結 R18】ほかに相手がいるのに

～新しい朝～

質問

「おはようございます。」
「おはようございます～。」

朝礼が済んでいつものように席につく。

隣に座る杉崎さんの存在を意識しながらも、仕事とプライベートは別だ、今まで通りにしなきゃと自らの気持ちを引き締める。

給湯室では杉崎さんの顔をまともに見ることすら出来なかったので、ある意味で細野さんが来てくれて助かった…
私は密かにそんな風に思っていた。

「さて！今日も仕事、がんばろ～か～～…月曜ってなんか、色々かったるいけどね～」
石田さんが石田さんらしいことを口にする。

「そうですね～かったるいですけど、ボチボチ…片付けていきましょう。」
杉崎さんはいつものように笑って石田さんにそう言葉を返す。

私も笑ってメールチェックをしようとマウスに手を伸ばしたその時、

「そうそう！！　…杉崎くん！あれ！どうだった…？？」
主任が大きな声で、杉崎さんにそう声を掛ける。

「え…　…？」

「あの…ほら、あれだよ…クルーズ、ディナー！！　行った…？行けたのかな？金曜、水無月さんも」

「あ…　…」

ドクン…　…　　　…　

まるで、心臓が…心臓の音が…外に飛び出ていきそうな…そんな思いがした…

「どうしたの…？あ、もしかして都合つかなかった…？まああれは、もう少し先まで期限…」

「行きました！主任…すみません、ご挨拶が遅れて…！あの、水無月さんと一緒にちゃんと行けました！ね、水無月さん、凄く良かったよね？」

「は…　」いけない…　返事を準備していなかった…

あの夜のことを今日聞かれることすら予想していなかった私は一瞬固まりそうになるが、
なんとか気持ちを奮い立たせる。