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~杉崎~
身勝手
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「水無月さん…!」
俺は、洗面所のドアを開ける。
「あっ… 」
彼女は鏡周りを点検していたのだろう…
俺が声を掛けると、ビクリと肩を震わせた。
いきなり声を掛け、驚かせたのだろうか…
鏡の中の水無月さんの顔が、少し驚いているのがわかった…
「…ごめんね、いきなりドア開けて、驚かせちゃった、かな… … 」
彼女の目が、ゆらりと揺らいだのがわかった。
完全に驚かせたのだろう…
朝から重ね重ね…駄目な男だなと、思った。
「…いえ、そんな…ごめんなさい、わ、忘れ物…点検してて…もしかしてここ、使うんだったら私すぐ、…」
「いや、違う… !」
「あっ…あ、のっ… !す…杉崎さん…」
彼女の話を全て聞き終わる前に…俺は背後から、彼女を抱き締めていた…
「… … … 」
どうやら、さらに驚かせた…
鏡の中の彼女を見つめると、彼女は信じられないような顔つきで、目を見開いて…俺を見ていた…
俺の胸の中にすっぽりと納まる、彼女の細い身体…
腕にあたる、柔らかな胸の感触…
あたたかな体温…
香水でもつけているのか…ごくわずかに香る、花のような香り…
彼女にとても似合う…控えめな…甘い香りが、俺の鼻腔をくすぐる…。
「す…杉崎、さ… ん…あの…」
彼女は俺に抱き締められたまま…震える声を発した。
俺は、鏡の中の彼女を真っ直ぐに見つめた…
ふと、思い出した…
この状況に 似た、シチュエーションを…
あれは、社員旅行の下見の日…
少し前のことだが、遠い昔のような気さえしてくる…
俺が気付かずに浴室前の洗面所に足を踏み入れ…彼女の半裸を見てしまったあの日…
彼女は怒るだろうか…
俺があの後、何度彼女の裸体を思い出して、下着に隠されたその先を、想像したか…
男として淫らな妄想に、ふけったか…
もし仮に、彼女が俺の頭の中を覗くことが出来たとしたら…
彼女は顔を真っ赤にして怒りだすか…
いや、違うな…彼女ならきっと、恥ずかしさにその場を逃げ出すだろう…
鏡の中の彼女は… 悲しいくらいに…
昨夜、俺の前に現れた時の女性らしい華やかな服を、キッチリと身にまとっていた。
俺はさらに力を込めて彼女を抱き締め…くるりと、彼女を俺の方に向かせた。
「すぎさ… き、 さ んっ… …」
俺はすぐさま彼女の細い顎に手をかけ、彼女の小さな唇を塞いでいた…
「んっ… ん、ぅ… んっ…」
彼女の唇の端から漏れだす小さな声と…吐息が…俺の耳を、かすめる…
くちゅ… くちゅ…
彼女に一切の伺いも立てずに…俺は勝手に、舌を差しいれ、絡める…
身勝手な、キスだ…
…甘い… 熱い… 彼女の、口内…
俺の激しいキスに…おずおずと…逃げるように動く彼女の舌が愛おしい…
俺の中のどこに… こんな感情があったのかと不思議で…仕方が、なくなる…
離れるのが…
物理的に…彼女を、今から手放さなければならないことが、切ない…
まるでその気持ちを、
そのキスに、注ぎ込むかのように… 俺は彼女を貪った…
その時の彼女の内心には、
全く…お構いなしに…
俺は、洗面所のドアを開ける。
「あっ… 」
彼女は鏡周りを点検していたのだろう…
俺が声を掛けると、ビクリと肩を震わせた。
いきなり声を掛け、驚かせたのだろうか…
鏡の中の水無月さんの顔が、少し驚いているのがわかった…
「…ごめんね、いきなりドア開けて、驚かせちゃった、かな… … 」
彼女の目が、ゆらりと揺らいだのがわかった。
完全に驚かせたのだろう…
朝から重ね重ね…駄目な男だなと、思った。
「…いえ、そんな…ごめんなさい、わ、忘れ物…点検してて…もしかしてここ、使うんだったら私すぐ、…」
「いや、違う… !」
「あっ…あ、のっ… !す…杉崎さん…」
彼女の話を全て聞き終わる前に…俺は背後から、彼女を抱き締めていた…
「… … … 」
どうやら、さらに驚かせた…
鏡の中の彼女を見つめると、彼女は信じられないような顔つきで、目を見開いて…俺を見ていた…
俺の胸の中にすっぽりと納まる、彼女の細い身体…
腕にあたる、柔らかな胸の感触…
あたたかな体温…
香水でもつけているのか…ごくわずかに香る、花のような香り…
彼女にとても似合う…控えめな…甘い香りが、俺の鼻腔をくすぐる…。
「す…杉崎、さ… ん…あの…」
彼女は俺に抱き締められたまま…震える声を発した。
俺は、鏡の中の彼女を真っ直ぐに見つめた…
ふと、思い出した…
この状況に 似た、シチュエーションを…
あれは、社員旅行の下見の日…
少し前のことだが、遠い昔のような気さえしてくる…
俺が気付かずに浴室前の洗面所に足を踏み入れ…彼女の半裸を見てしまったあの日…
彼女は怒るだろうか…
俺があの後、何度彼女の裸体を思い出して、下着に隠されたその先を、想像したか…
男として淫らな妄想に、ふけったか…
もし仮に、彼女が俺の頭の中を覗くことが出来たとしたら…
彼女は顔を真っ赤にして怒りだすか…
いや、違うな…彼女ならきっと、恥ずかしさにその場を逃げ出すだろう…
鏡の中の彼女は… 悲しいくらいに…
昨夜、俺の前に現れた時の女性らしい華やかな服を、キッチリと身にまとっていた。
俺はさらに力を込めて彼女を抱き締め…くるりと、彼女を俺の方に向かせた。
「すぎさ… き、 さ んっ… …」
俺はすぐさま彼女の細い顎に手をかけ、彼女の小さな唇を塞いでいた…
「んっ… ん、ぅ… んっ…」
彼女の唇の端から漏れだす小さな声と…吐息が…俺の耳を、かすめる…
くちゅ… くちゅ…
彼女に一切の伺いも立てずに…俺は勝手に、舌を差しいれ、絡める…
身勝手な、キスだ…
…甘い… 熱い… 彼女の、口内…
俺の激しいキスに…おずおずと…逃げるように動く彼女の舌が愛おしい…
俺の中のどこに… こんな感情があったのかと不思議で…仕方が、なくなる…
離れるのが…
物理的に…彼女を、今から手放さなければならないことが、切ない…
まるでその気持ちを、
そのキスに、注ぎ込むかのように… 俺は彼女を貪った…
その時の彼女の内心には、
全く…お構いなしに…
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