【完結 R18】ほかに相手がいるのに

～拓海～

感想

「…ねえ、拓海くん…　」
瑠衣が、俺を見上げる。

「　…んー　なに…？　」
なんか、けだるい…　
調子に乗ってやり過ぎた…　かもしれない…

「…すごく、良かったよ…」
微笑む瑠衣…。

「…　そ…　？…　」
俺は、何と答えたらいいのか、わからなかった。
こんな時は、ありがとうって言うべきなんだろうか…？


そもそも初めて、そんなことを言われた…。

セックスをした後、葉月はいつも恥ずかしそうに速攻身体を隠して、そっぽを向いてしまう…。

もちろん、良かったとか悪かったとか…あと、例えば痛かったとか…そんな感想を述べることもなく…
実のところ、俺は葉月がどう感じているのかよくわからない時さえ、あったくらいで…

もちろん、行為の最中…
俺が突きあげた時に、葉月があんと色っぽい声をあげたら、あ、…ここがいいのかな…って思うし、逆に、辛そうに顔をしかめた時は、あ、…少し動きが荒かったかな…セーブしよう…なんて思ったりもしていた…。

でも、それは葉月が口にしたことではないので、単なる俺の推測に過ぎない…。
あくまで葉月の表面的な反応から、
ここがいいんだろうな、これは嫌がってんな…とか、本当にそんなレベルで…。

だからもし仮に、葉月に事後にそんなことを…
たとえば今の瑠衣みたいに、
拓海、今日のセックスは良かったよ…なんて言われでもしたら、間違いなく俺は卒倒しているだろう…。

俺は本当に、驚いている…。

女の性格で…
つまり、女が性に積極的なタイプか否かで、
こうもセックスが違ってくるものなのか…って…。