【完結 R18】ほかに相手がいるのに

もえこ

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~二人~

お互いに

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私は返事をする。

「こんばんは。杉崎さん、今日もお疲れ様でした。あの…大丈夫かというのは…彼氏とのことでしょうか?…実はですね…すみません私…結局言えなくて…今回、彼にきちんと話をすることができませんでした…」

続ける。

「やっぱりラインとか電話じゃなくて、会って直接話すのが筋かな…って思っていたので、今回話せたらと思っていたんですが…なかなか話せず、タイミングを逃してしまいました…。」

そこまで打ち込んで送信ボタンを押す。

杉崎さんは林さんに…あの後、話せたんだろうか…
あの、居酒屋での二人の雰囲気からすると、あの時点ではまだ…何も話をしていない状況…そんな気がした。
でないと、四人で食事なんてありえないとも思った。

私が杉崎さんに送ったラインは既読にはなったものの、しばらく返事がなかった。

なぜすぐに、拓海に話をしないのかと…そんな風に思われているのだろうか…

私は合間に寝る準備をしながら、布団に寝転がった。

もう一度開く。

ちょうど、杉崎さんからのラインがきたところだった。

「そうなんだ…でも、全然、気にしないで…。実は俺も…智花に話せなかったんだ。なんだか雰囲気的に…厳しくて…ただね、次回こちらから九州に赴いて話をしようかとは、…思ってる。」



杉崎さんもまだ、話せてはいない…?
私と、同じだったんだ…。

あの居酒屋で感じた、
林さんの、杉崎さんへの想い…好意…

彼女の視線が…
林さんの行動全てが、杉崎さんを好きだと主張していた。

杉崎さんが彼女に別れ話をした時…
彼女は…どんな思いをするだろう…。

私が拓海に話したとき、
拓海はどれほど、衝撃を受けるだろう…。

怖い…。

拓海の反応も、

彼女が、杉崎さんを奪ってしまう、私のことをどう思うのかも…。

しかも同じ職場の先輩後輩…の、関係…。
きっと、憎まれるに違いない…
もしかしたら、泥棒猫と…罵られるかもしれない…。


でも…その恐怖以上に…

これ以上…自分の気持ちに嘘はつけないと思った…。このままの気持ちで拓海と付き合いを続けていくことはできない。

そう思った。


「結局お互いに、話せなかったですね…
私も次回は必ず拓海に話をするつもりです。では、おやすみなさい…」

その日はなんだか疲れていて…わたしはおやすみのラインを入れる。

「うん、おやすみ…また明日。」

その日はそんな風に、
  杉崎さんとの短いやり取りを終えた。








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