【完結 R18】ほかに相手がいるのに

～彼氏～

二度三度

その後、互いにシャワーを浴び、一時間ほどホテルで眠った後、結局どこにも寄ることなく私たちは自宅へ帰った。

「あーーっ…運動して、…流石に腹が減ったな…。葉月…食うもんなんかあるか…？」

拓海が私に尋ねる。
運動とは、…もちろんセックスのことだ…。

拓海はあの後も何度か…体位を変えて私を抱いた…。
何度も何度も…激しく腰を打ちつけ、好きだと…低い声でうめくように囁きながら…

食べるもの…食事…

とりあえず、
　　　　何もない。

時間は既に、午後6時を回っていた。

これから作るとなると、簡単なモノでも30分はかかるだろう。

「…さっきも言ったけど、何もないよ。少し待ってくれるならテレビでも見といて。簡単に作るから…それか…まあ…デリバリーか…たまには、コンビニでお弁当でも買ってこようか…？」

私は答える。
正直なところ、身体がだるくて仕方がなかった。

激しく揺さぶられ…様々な体勢で貫かれ…
私の身体は既に小さな悲鳴をあげていた…。

「うーん、なんか滅茶苦茶腹が減ってるし…もう面倒くせ…いっそ外に食いにいかん？
ほら…前に行った店でも良いし、ほかんとこでもさ…いくつか良さげな店、あったじゃん…？」

…外食…
　
私にとっては楽だから、それでもいいとは思ったものの…

一瞬、杉崎さんの顔がよぎった…。

また…偶然、店内で会ったりはしないだろうか…

さすがに三度目はないとは思うが…

今までに二度、杉崎さんと林さんに会ったことは事実で、そもそも近所だから、絶対にないとはいえないのだ…あまり気が進まない…。

「なあ…やっぱ、外行こうぜ？俺も久々こっち来てんのに、夕飯コンビニ飯とか宅配とか…うん、なんか楽しくないわ…適当にブラついてみよ？」

「…うん、…わかった、準備する…」

そう、返事をしたものの、…

後で、私はものすごく、後悔することになる…


二度あることは、三度ある…


私がこの言葉を痛感したのは、
　　　
　　　　　　　言うまでもない…