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〜2人の距離〜
操り人形
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「今…ここで、君にキスするよ…いいかな…?水無月さん、俺の横に来て、座って…」
杉崎さんが真っすぐに私を見つめて、もう一度、ゆっくりと言い放つ。
真剣な目…とても、冗談には見えない…。
待って…
ここは、店内だ…居酒屋だ…
個室の席とはいえ、あくまで、半個室で…半分、扉が開いているのだ…そこに薄く透けたような暖簾がかかっているだけで…
店員や他の客が通路を行き来したら…
あえて、こちらに目を向けたら…見えてしまう…可能性がある…。
そんな場所で、キ…キス…だなんて、…できる筈がない…。
「っ…す、杉崎さん…そんな…無理です、こんなところで…そんなっ…!」
「…なんで…?だって、先にけしかけてきたのは水無月さんだよね…?」
テーブルに置いていた私の手の上に正面に座る杉崎さんの大きな手が伸びてきて、ぐっと、掴まれる。
「あっ…」思わず、声を上げてしまう…
「… おいで 俺の隣に…。周りに見えないように、うまくやるから…頼んだ食べ物も全部来てるし…一番奥の席だ。新たに注文しない限り誰も来ないよ…そもそも、君が悪い…好き、とか…こんな場所で、そんな艶っぽい表情で、つぶやくから…」
杉崎さんの黒い瞳が…私を射抜く…。
私の身体の奥が…ズキンと震えるような感覚を覚える。
私はまるで、杉崎さんの操り人形のように、ゆっくりと立ち上がり、
彼の隣に、移動する…。
杉崎さんが真っすぐに私を見つめて、もう一度、ゆっくりと言い放つ。
真剣な目…とても、冗談には見えない…。
待って…
ここは、店内だ…居酒屋だ…
個室の席とはいえ、あくまで、半個室で…半分、扉が開いているのだ…そこに薄く透けたような暖簾がかかっているだけで…
店員や他の客が通路を行き来したら…
あえて、こちらに目を向けたら…見えてしまう…可能性がある…。
そんな場所で、キ…キス…だなんて、…できる筈がない…。
「っ…す、杉崎さん…そんな…無理です、こんなところで…そんなっ…!」
「…なんで…?だって、先にけしかけてきたのは水無月さんだよね…?」
テーブルに置いていた私の手の上に正面に座る杉崎さんの大きな手が伸びてきて、ぐっと、掴まれる。
「あっ…」思わず、声を上げてしまう…
「… おいで 俺の隣に…。周りに見えないように、うまくやるから…頼んだ食べ物も全部来てるし…一番奥の席だ。新たに注文しない限り誰も来ないよ…そもそも、君が悪い…好き、とか…こんな場所で、そんな艶っぽい表情で、つぶやくから…」
杉崎さんの黒い瞳が…私を射抜く…。
私の身体の奥が…ズキンと震えるような感覚を覚える。
私はまるで、杉崎さんの操り人形のように、ゆっくりと立ち上がり、
彼の隣に、移動する…。
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