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〜2人の距離〜
困った子
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「…え…?」
杉崎さんの目が、一瞬困ったように泳ぐ。
「水無月さん…なんで…今…」
「あ…あの、すみません…ちょっと私いきなり、何を言ってるんでしょう…ご、ごめんなさい…」
私は自分の口から突如飛び出した、『好き』というキーワードに驚く。
「いや…そんな、謝ることじゃない…けどね、あの…いきなりだったから…うん、少し驚いたかな…。」
「……」
どんどん、自分の体温が上がっていくのがわかった。
「…水無月さんのそれってさ、…俺に対する好き…ってことで、いいのかな?それとも…カンパリオレンジ…に対して…なのかな…?」
杉崎さんが、本当に真剣に、真顔で尋ねてくる。
「…う…ふふっ…!まさか…カンパリオレンジに対してじゃないです…あの、なんだか杉崎さんの笑顔を見ていて、しみじみと好きだな…って、思っちゃって…つい、脳内の声が、表に出ました…」
私が笑うと、杉崎さんも、またくしゃっと笑った。
杉崎さんは普段、眼鏡をかけているせいか真面目な雰囲気で、少し冷たくも見えそうなくらい整い過ぎた容貌をしているが、
笑うと目尻に少しだけ、シワが寄るのがまた…とても可愛くて、たまらない気持ちになる。
「…水無月さんってさ…反則技、いきなり繰り出すよね…ほんと、困った子だな…。」
杉崎さんが、目にかかりそうな綺麗な前髪をサイドに長い指で流しながら、ため息をつく。
「…なんで、今…そんなこと、いきなり俺の前でつぶやくの…?こんなところでさ…困るな…ほんと…」
杉崎さんが、おもむろにジョッキを手にして、ビールを煽るように飲む。
男性にしては白い喉が…艶めかしくのけぞって、目を奪われてしまう…あまりに、セクシーだ…。
「え…、す…すみません…」素直に謝ると、
「そんなこと、いきなり言われたら、せっかく冷静に智花のこととか、君の彼氏のこと…冷静に話そうって思っていたのに…全然…別のことを、考えてしまうよ…」
また、おもうろにため息をつく杉崎さん…
「…あのね、好きな子にそんな風に、いきなり、唐突に、好きとか…言われて、おとなしくできる男が、いると思う…?」
杉崎さんが、グラスをゴトリと置いて、濡れたような瞳で、私を見つめる。
「少なくとも…俺は無理…。
…今すぐに…キスしたい…いいかな?」
え・・・?
ここで・・・??
私は真っ直ぐに、杉崎さんを見つめた…
杉崎さんの目が、一瞬困ったように泳ぐ。
「水無月さん…なんで…今…」
「あ…あの、すみません…ちょっと私いきなり、何を言ってるんでしょう…ご、ごめんなさい…」
私は自分の口から突如飛び出した、『好き』というキーワードに驚く。
「いや…そんな、謝ることじゃない…けどね、あの…いきなりだったから…うん、少し驚いたかな…。」
「……」
どんどん、自分の体温が上がっていくのがわかった。
「…水無月さんのそれってさ、…俺に対する好き…ってことで、いいのかな?それとも…カンパリオレンジ…に対して…なのかな…?」
杉崎さんが、本当に真剣に、真顔で尋ねてくる。
「…う…ふふっ…!まさか…カンパリオレンジに対してじゃないです…あの、なんだか杉崎さんの笑顔を見ていて、しみじみと好きだな…って、思っちゃって…つい、脳内の声が、表に出ました…」
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笑うと目尻に少しだけ、シワが寄るのがまた…とても可愛くて、たまらない気持ちになる。
「…水無月さんってさ…反則技、いきなり繰り出すよね…ほんと、困った子だな…。」
杉崎さんが、目にかかりそうな綺麗な前髪をサイドに長い指で流しながら、ため息をつく。
「…なんで、今…そんなこと、いきなり俺の前でつぶやくの…?こんなところでさ…困るな…ほんと…」
杉崎さんが、おもむろにジョッキを手にして、ビールを煽るように飲む。
男性にしては白い喉が…艶めかしくのけぞって、目を奪われてしまう…あまりに、セクシーだ…。
「え…、す…すみません…」素直に謝ると、
「そんなこと、いきなり言われたら、せっかく冷静に智花のこととか、君の彼氏のこと…冷静に話そうって思っていたのに…全然…別のことを、考えてしまうよ…」
また、おもうろにため息をつく杉崎さん…
「…あのね、好きな子にそんな風に、いきなり、唐突に、好きとか…言われて、おとなしくできる男が、いると思う…?」
杉崎さんが、グラスをゴトリと置いて、濡れたような瞳で、私を見つめる。
「少なくとも…俺は無理…。
…今すぐに…キスしたい…いいかな?」
え・・・?
ここで・・・??
私は真っ直ぐに、杉崎さんを見つめた…
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