【完結 R18】ほかに相手がいるのに

〜戸惑いの日々〜

人事部の

その日、私は久々に外にランチに出ようと、チャイムと同時に手提げバッグを手にする。

「ちょっとお昼、今日は外で食べてきます」
一応声をかけて席を立つ。
「珍しいね、外でランチ。行ってらっしゃい。」杉崎さんが笑顔で送り出してくれる。

部屋を出てすぐに、お店の候補をいくつか考える。
徒歩3分のラーメン屋さんか、会社を出てすぐのインドカレーのお店…もしくは、…車販売のランチボックスを公園で…うーん…　どれにしよ…

不意に、背後から声をかけられる。

「水無月さん！…お疲れ様です～…」誰…？声だけではわからず、ゆっくりと振り返る。

そこには、いつも女子力全開の…細野さん…人事部の、あの…杉崎さんによく話しかけている細野さんがいた…。

ちょっと…この女子は…キラキラし過ぎていて、苦手だ…　本能的にそう思った…

「あ…お疲れ様です、どうも～」そんな言葉しか、出てこない…

少しだけお辞儀をして立ち去ろうとすると、
「あの…っもし良かったら、一緒にランチ、どうですか…？」彼女に…突然、ランチに誘われる。

「あ…あ…　あの…　」
駄目な私…うまい断り文句が、全く出てこない…。

「あ…の…はい…」つい、OKの返事を出してしまう…
その後は、かなり積極的な細野さんに連れられて、
　　　　　　　　　私のランチは…イタリアンな高級女子ランチに…決定した。


…っていうか私、

…この女子と…細野さんと、まともに話をしたことがない…のに…

…杉崎さんとよく話しているからこそ、彼女の顔を知ったくらいなのに…一体…何だろう…

私は無駄にドキドキしながらも…ランチメニューを開いた…

　　　　　　　　高っ…！！