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~続く日常~
相席
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林さんの提案で、私達は結局相席をすることになった。
それぞれに定食を注文し、お酒も注文する。
拓海と杉崎さんと林さんは生ビール、私はカシスオレンジを注文した。
いくらお子様だと言われても、私はいまだにビールの苦みが苦手なのだ。
飲み物がきて、なんだかよくわからない状況に…乾杯する。
「かんぱーい!」林さんが明るくグラスをならす。
「美味しいー。水無月さんはビール、あんまり飲まないの…?そういえば飲み会でも、すぐにビールからそういう系統に変えてたよね?」
一口ビールを飲んだ後、林さんが私に尋ねる。
「あ…はい、…ビールの…」私が答えようとすると、
「あ…コイツですね…基本的にお子ちゃまなんですよ…ビールの苦みがダメで、あと、辛いのも駄目…!」
拓海がからかうように笑いながら、割り込む。
「へえ~ …そうなんだぁ…かーわいい…って言うか、彼氏さん、さすがですね。水無月さんのことは何でも知ってるって感じ…お付き合い、長いんでしたよね…」林さんが話を広げる。
なんだか恥ずかしい…拓海、お願いだからこれ以上、色々話さないで…。
杉崎さんも聞いているのだ… なんだか内輪の話を職場関係の人にあまり色々、話して欲しくない…
ただ、拓海は敢えて空気を読んでか読まずか…私の願い虚しく、すらすらと答える。
さすがのコミュニケーション能力だ…。
「ええ…高校の時からなんで…結構長いです…。コイツのことで知らないことは、多分ないかな…な…?葉月」
いきなり、拓海が私の頭をポンポンとする。
…いつもはこんなことを人前でしないのに…なんなの…恥ずかしい…。
そして確かに…拓海は私の趣味嗜好…好きなもの、苦手なこと…全て、わかってる…
でも、全部じゃない…私の心の奥底…本音…言えてないことは、まだまだ沢山ある…ただ、そんなことはわざわざ言わない…。
「う…まあ、はい、そうですね…ほぼほぼ…把握されちゃってます…悔しいですけど…」私がそう言うと、林さんがにこやかに笑う。
「なんだかい~な~…ラブラブな感じ!…ね!修哉さん…若いっていいよね…私達にはない雰囲気…羨まし…」
林さんが杉崎さんに話を振ると、杉崎さんが微笑む。
「そうだね…本当に二人、仲良いね…まるで、兄弟みたいに…」そう言って、ビールを口にする。
… え…兄弟…
杉崎さんにしては、言葉の選択を間違ったかのような、違和感を覚える…。
「いやいや…兄弟じゃないし…完全に…恋人っす…ほら、ラブラブなんですって…」
拓海が少し…もしかしたら少し杉崎さんの発言にムッとしたのか、私の肩を抱いて反応する。
しかも、敬語が外れかけている…
杉崎さんはかなり年上なのに失礼だ…私はやんわりとたしなめる。
「拓海…ストップ…もう、やめて…恥ずかしいよ…さ、次は、林さんたちの話を聞いちゃいましょう。あの…」
私は肩に乗せられた拓海の手をゆっくり降ろし、無理矢理、話を振り始める。
ああ…なんだか全然リラックスできない… 早く…解放されたい…
漠然と、そう思った瞬間だった。
それぞれに定食を注文し、お酒も注文する。
拓海と杉崎さんと林さんは生ビール、私はカシスオレンジを注文した。
いくらお子様だと言われても、私はいまだにビールの苦みが苦手なのだ。
飲み物がきて、なんだかよくわからない状況に…乾杯する。
「かんぱーい!」林さんが明るくグラスをならす。
「美味しいー。水無月さんはビール、あんまり飲まないの…?そういえば飲み会でも、すぐにビールからそういう系統に変えてたよね?」
一口ビールを飲んだ後、林さんが私に尋ねる。
「あ…はい、…ビールの…」私が答えようとすると、
「あ…コイツですね…基本的にお子ちゃまなんですよ…ビールの苦みがダメで、あと、辛いのも駄目…!」
拓海がからかうように笑いながら、割り込む。
「へえ~ …そうなんだぁ…かーわいい…って言うか、彼氏さん、さすがですね。水無月さんのことは何でも知ってるって感じ…お付き合い、長いんでしたよね…」林さんが話を広げる。
なんだか恥ずかしい…拓海、お願いだからこれ以上、色々話さないで…。
杉崎さんも聞いているのだ… なんだか内輪の話を職場関係の人にあまり色々、話して欲しくない…
ただ、拓海は敢えて空気を読んでか読まずか…私の願い虚しく、すらすらと答える。
さすがのコミュニケーション能力だ…。
「ええ…高校の時からなんで…結構長いです…。コイツのことで知らないことは、多分ないかな…な…?葉月」
いきなり、拓海が私の頭をポンポンとする。
…いつもはこんなことを人前でしないのに…なんなの…恥ずかしい…。
そして確かに…拓海は私の趣味嗜好…好きなもの、苦手なこと…全て、わかってる…
でも、全部じゃない…私の心の奥底…本音…言えてないことは、まだまだ沢山ある…ただ、そんなことはわざわざ言わない…。
「う…まあ、はい、そうですね…ほぼほぼ…把握されちゃってます…悔しいですけど…」私がそう言うと、林さんがにこやかに笑う。
「なんだかい~な~…ラブラブな感じ!…ね!修哉さん…若いっていいよね…私達にはない雰囲気…羨まし…」
林さんが杉崎さんに話を振ると、杉崎さんが微笑む。
「そうだね…本当に二人、仲良いね…まるで、兄弟みたいに…」そう言って、ビールを口にする。
… え…兄弟…
杉崎さんにしては、言葉の選択を間違ったかのような、違和感を覚える…。
「いやいや…兄弟じゃないし…完全に…恋人っす…ほら、ラブラブなんですって…」
拓海が少し…もしかしたら少し杉崎さんの発言にムッとしたのか、私の肩を抱いて反応する。
しかも、敬語が外れかけている…
杉崎さんはかなり年上なのに失礼だ…私はやんわりとたしなめる。
「拓海…ストップ…もう、やめて…恥ずかしいよ…さ、次は、林さんたちの話を聞いちゃいましょう。あの…」
私は肩に乗せられた拓海の手をゆっくり降ろし、無理矢理、話を振り始める。
ああ…なんだか全然リラックスできない… 早く…解放されたい…
漠然と、そう思った瞬間だった。
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