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〜お互いの日常〜

送迎

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「そっか…彼氏に、何度も結婚って言われてるんだ…?でもさ、俺、思うけど…結婚って、そんな…男が軽々しく、口にするかな…少なくとも俺は、…冗談では言わない…かな。彼氏…多分、本気なんじゃない?」
杉崎さんが笑って私を見る。

「そう…ですかね?いつも口癖のように言うから、軽い、と言うか…もう、冗談にしか聞こえなくて…まあ、まだ全然先の話で…」

…そもそも拓海のその言葉に、OKの返事をしたこともない。

拓海の真意はともかく私自身、軽々しく返事ができることではないし、今はまだ結婚などと…考えたこともないほど、現実感のない話だった。

「そっか…。あ…もう、水無月さんちだ…今日も付き合ってくれてありがとう。また…良かったら、ご飯誘ってもいいかな…?」

まだ…話していたいし…もう少し一緒に…歩いていたい…
私の心中はこうだった…。
でも、言えるはずがない。

それなのに…私は頭で考えるより先に、言葉を発していた。

「はい、あ…あの…良かったら私、今日は杉崎さんの家まで…送ります…」

一体突然…私は…何を言ってるのか…。自分でも正直…そう思った。

「え…?俺、を…送る…って…
あ、でもほら…家、すぐそこだし、女の子に…こんな夜に家に送ってもらうのは逆に危ないよ…また、帰りがさ…」
杉崎さんの表情に、明らかに戸惑いが見られた。

ああ…すぐさま撤回しよう…最近の私は、本当におかしい…

「…ですよね…あ…の、夜風が気持ちいいから、もう少し…散歩したいなって、思っただけです。あ…やっぱり今日は帰りますね…」なんだか、恥ずかしくてたまらない…なんとか取り繕ってそう言うと…

「…んーでも…やっぱ、送ってもらおう…かな…?すぐそこだし、時間かからないから、実は俺も…もう少し散歩したい気分…」杉崎さんが私に合わせてくれる…しかも、にこにこと…笑顔で。

「…はい…じゃあ、行きましょう…」
そう返事をして、私たちは二人、今度はゆっくりと、杉崎さんの家へ向かう。

まだ…帰りたくない…もう少しだけ…   

私は自分の気持ちに…戸惑いを覚えた…この気持ちは…これ…は…

恋…なのかも、しれない…と…そう思った。

























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