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〜お互いの日常〜

繊細な指

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「水無月さん…おいで…」甘い美声が私を呼んでいる。

「はい…」その誘う声に素直に返事をし、その男に近づく。

私はいとも簡単に、ふわっと抱きかかえられ、柔らかなベッドにゆっくりと寝かされる…何…この状況…

「葉月…好きだよ…」そう言って、有無を言わさずに、唇を塞がれる…

「んンっ…ん、ん…」その唇は柔らかくて…甘い…

私の唇の隙間をこじ開けるようにして、彼の舌が割り込んでくる。
何度も…私の口内を熱い舌が彷徨い、私の舌を優しく吸いあげ、絡むように…まとわりついてくる。

気持ちいい…こんなキス…初めて…身体が…唇からとろけてしまいそうだ…
「ん…ふ…んんっ…ん」
あまりに舌の動きが巧みで…頭がぼうっとしてくる…

「んん…」もだえていると、彼の手が、私のブラウスの隙間に忍び寄る。
リボンのタイを華麗にほどき、胸の谷間に…伸びてくる、細くて綺麗な、長い指先…

誰…この手は…拓海…じゃない…

拓海の手は、指は長いけど、もっと男っぽくて、ごつごつしていて、もう少し大きい…

その繊細な指が、私の胸の先端…固くなりかけた突起に…布地の上から、そっと触れ、きゅっと優しくつまむ…胸のふくらみを、やわやわと揉み上げられ、先端をいじられ、刺激に、ビクンと身体が跳ねる…
「んんっ!…あ…ふ ぁ、ん…」
唇を塞がれたまま、私は抑えきれず、くぐもった声をあげてしまう。

「…可愛い…水無月さんのここ…でも、こんな服の上からじゃなく、直接見たい…いいかな…」

「やっ…だ…めっ…ああ、んん」
やっとキスから解放され、その細くて長い指のもたらす刺激に甘やかな声をあげてしまう私…。
指が、クニクニとそこを意地悪く何度もまさぐり…引っ張り…時に強めにつままれ、思わず声があがる。

「ああっ、ん…いやぁ…あ、…」 
な…何…これ…この…感触…気持ち良すぎて…頭がおかしくなりそう… 助けて…やだ…怖い…誰…?

私はゆっくりと目を開く…そこには…そこには…


「あっ!…」私は…自分の驚く声で、目を覚ました…。

時計を見る…朝の10時過ぎ…  

昨夜は杉崎さんと別れ、帰ってお風呂に入って余韻に浸りつつも、疲れてすぐに布団に入ったのだったが、
お酒が残っていたのか、いつもの土曜よりはかなり遅い時間に、目覚めた…。

夢で…いやらしいキスをした…胸を…服の上からではあるが、触られ…揉まれた…。

夢の相手は拓海ではなく…彼…杉崎さんだった…

ああ…私って、なんて…いやらしいの…
彼氏がいる身でありながら、他の男性とエッチなことをする…夢を…はしたなく、見るなんて…
まるで、欲求不満な女みたいだ…ごめん…拓海…。

でも、本当は…私は自己嫌悪に陥りながらも、
夢の中の出来事に…胸が高鳴るのを感じていた…続きをもう少しだけ、見てみたかった…なんて。

起きて熱い珈琲を飲もう…

また、来週から、きちんと普通にしなければ…私はそう決意して、立ち上がった…。
















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