【完結 R18】ほかに相手がいるのに

もえこ

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〜お互いの日常〜

甘い

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部屋が残り20分ほどになった頃、最後に私がマイクを置いた後を見計らってか杉崎さんが言う。「そろろそ終わりだね…あ、まだ食べ物残ってるよ…あとはもう、飲んで食べてにしようか…」

見ると…デザートのミルクレープが半分ほどとポテトが少し、あとはお互いの飲み物が半分以上も残っていた。

「そうですね、もったいないから、食べちゃいましょう。」私はそう言って、ミルクレープに自分のフォークを伸ばす。「杉崎さん、私先に、半分食べちゃいますので、あと半分はお願いしますね」
私はそう言って、自分の分をペロリと平らげた。
甘すぎなくて、クレープ生地がなめらかで…すごく上品な味のデザートだった。

杉崎さんが遠慮してか、「いや、いいよ…?水無月さん、まだ入るなら食べちゃってよ?若いし、まだイケるでしょ?」…そうは言われたものの、やはり一人で平らげるのは気が引けた私は、杉崎さんが使っていたフォークで残りのミルクレープをすくい、お皿も一緒に杉崎さんの方に近付ける。
「はい!どうぞ…私ばかり食べると太っちゃいます…ここからは杉崎さんの担当です…」
そう伝えて、フォークから手を離そうとしたその時、

「…っ!」

思わず言葉を失う。杉崎さんが私のフォークを持ったままの手首を優しくつかみ、自分の…つまり杉崎さんの口元へフォークを運び、ぱくりと…クレープを口にする。

わ…ちょっと…待って…何これ…

「うん、確かにうまいね。これ…あ、ごめんね。そのまま水無月さんの手を利用しちゃった…」そう言って、私の手首を優しく解放して、残りは自分の手で、フォークで…パクパクと口に運び始めた…

びっくりした… 

杉崎さんからしたら、ちょっとした何気ない…動作だったかもしれない…でも、私には経験のない…少しドキリとする行為、だった。

そう、まるで、恋人同士がする、
     少し甘めの行為…のように…


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