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〜お互いの日常〜
落ち着く存在
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私は不思議に思っていた。
杉崎さんはあんなに普通に女性にモテているのに…どうして私みたいな地味な女を、たびたび食事に誘ってくれるのだろうか…と。
それとももしかして、他にも気軽に食事に行くような人が何人もいて…その中のうちの一人が、私なのだろうか…。私はその他大勢のうちのひとり…それなら、少しは納得がいく気がした。
ある週末、また食事に誘われた。
今回は杉崎さんチョイスの職場近くの、お洒落なイタリアンのお店。
杉崎さんがパスタを食べたいけど男一人ではなかなか入りにくいからと…そういう理由で、今回はそこのお店に決定した。
実は私も前から気になっていたお店で…
でもやっぱり一人では行く勇気がなくて…
だからそのお店を杉崎さんに提案された時、嬉しくて即答した。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「ふぅ…全部、すごく…美味しかったですね~私、お腹いっぱいです…」
前菜から…デザートまで…すべてが美味しかった。
食後に出た、少し苦めの珈琲を飲みながら、私は料理の余韻に浸っていた。
しかも週末だ…この後は家に帰って寝るだけで…私の気持ちはすごく満たされていた。
「ほんと、想像以上に美味しかったね~来られて良かったよ。水無月さん、ほんと、付き合ってくれて、ありがとう。」
杉崎さんからお礼を言われるけど、私がお礼を言いたいくらいだった。
私を誘ってくれてありがとうと…。
私は普段飲み慣れないワインの力を借りて、杉崎さんに前から気になっていることを聞いてみることにした。
「杉崎さん…あの…時々私を食事に誘ってくださいますが…あの、いいんでしょうか…私なんかがご飯の相手で…他にも杉崎さんとご飯に行きたいと思ってる女性、たくさんいるように思えるんですが…」
これは…ずっと、気になっていたことだ…
この質問で、他の女性とも行っているようなら、「いや、他にも誘ってるから気にしないで」と、言われるのだろうと…そう思っていた。
「あ…水無月さん、そんなこと気にしてんの?大丈夫大丈夫…そんなこと気にしなくて。俺が水無月さんを誘いたくて誘ってるだけだから。確かに他の人とは…行ってないし、そもそも誘ってもないけど…」
杉崎さんが微笑んで、続ける。
「…っていうか、水無月さん、すぐに、私なんかって口にするけど、口癖なのかな…?自分を下に見過ぎだよ…もっと自信もっていいと思うよ?少なくとも俺は君といると落ち着く…あ、だからさ…俺は引き続き図々しく、水無月さんをご飯に誘うつもりだから、よろしくね…?」
杉崎さんの織り成す言葉が…私の中に染み込んでくる気がした…
しかも、杉崎さんは私といて落ち着くと言ってくれた…それは私も同じ気持ちだった。
そっか…このままでいいんだ…
そして、他の女性のことも気にしなくていいんだ…気持ちが軽くなると同時に、内心嬉しくなった。
杉崎さんが私を選んで食事に誘ってくれてる…
それがわかっただけで、私には十分だった。
杉崎さんはあんなに普通に女性にモテているのに…どうして私みたいな地味な女を、たびたび食事に誘ってくれるのだろうか…と。
それとももしかして、他にも気軽に食事に行くような人が何人もいて…その中のうちの一人が、私なのだろうか…。私はその他大勢のうちのひとり…それなら、少しは納得がいく気がした。
ある週末、また食事に誘われた。
今回は杉崎さんチョイスの職場近くの、お洒落なイタリアンのお店。
杉崎さんがパスタを食べたいけど男一人ではなかなか入りにくいからと…そういう理由で、今回はそこのお店に決定した。
実は私も前から気になっていたお店で…
でもやっぱり一人では行く勇気がなくて…
だからそのお店を杉崎さんに提案された時、嬉しくて即答した。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「ふぅ…全部、すごく…美味しかったですね~私、お腹いっぱいです…」
前菜から…デザートまで…すべてが美味しかった。
食後に出た、少し苦めの珈琲を飲みながら、私は料理の余韻に浸っていた。
しかも週末だ…この後は家に帰って寝るだけで…私の気持ちはすごく満たされていた。
「ほんと、想像以上に美味しかったね~来られて良かったよ。水無月さん、ほんと、付き合ってくれて、ありがとう。」
杉崎さんからお礼を言われるけど、私がお礼を言いたいくらいだった。
私を誘ってくれてありがとうと…。
私は普段飲み慣れないワインの力を借りて、杉崎さんに前から気になっていることを聞いてみることにした。
「杉崎さん…あの…時々私を食事に誘ってくださいますが…あの、いいんでしょうか…私なんかがご飯の相手で…他にも杉崎さんとご飯に行きたいと思ってる女性、たくさんいるように思えるんですが…」
これは…ずっと、気になっていたことだ…
この質問で、他の女性とも行っているようなら、「いや、他にも誘ってるから気にしないで」と、言われるのだろうと…そう思っていた。
「あ…水無月さん、そんなこと気にしてんの?大丈夫大丈夫…そんなこと気にしなくて。俺が水無月さんを誘いたくて誘ってるだけだから。確かに他の人とは…行ってないし、そもそも誘ってもないけど…」
杉崎さんが微笑んで、続ける。
「…っていうか、水無月さん、すぐに、私なんかって口にするけど、口癖なのかな…?自分を下に見過ぎだよ…もっと自信もっていいと思うよ?少なくとも俺は君といると落ち着く…あ、だからさ…俺は引き続き図々しく、水無月さんをご飯に誘うつもりだから、よろしくね…?」
杉崎さんの織り成す言葉が…私の中に染み込んでくる気がした…
しかも、杉崎さんは私といて落ち着くと言ってくれた…それは私も同じ気持ちだった。
そっか…このままでいいんだ…
そして、他の女性のことも気にしなくていいんだ…気持ちが軽くなると同時に、内心嬉しくなった。
杉崎さんが私を選んで食事に誘ってくれてる…
それがわかっただけで、私には十分だった。
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