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〜お互いの日常〜

馴れ初め

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「へ~…すごいね!あの彼氏さんとは、高校生の時…からの付き合いなんだ!?うわー…長い!…すごいな~うん、いまどき、すごいよ…」杉崎さんが、私と拓海のことについて尋ねてきたので、素直に話すと、こんな反応が返ってきた。

やはり、世間の反応でいうと、六年以上の付き合いはまあまあ長いらしい…。

でも、拓海と付き合ってきた期間で、過去に私が突発的に拓海に別れを告げて口を聞かなかった二週間を除いては、本当に…別れた記憶がないのだ。

「長い…ですかね…?そんな意識なく、気付けば年数がたってるんですけど、確かによく、周りに話すとそんな反応されますね…」

そう話しながら、私の方からも、杉崎さんと林さんとのことを少し聞いてみたいなという気持ちのままに、お酒の力を借りつつ…杉崎さんに勇気を出して尋ねる。

「私からも質問です!…杉崎さんと林さんは、どのくらい付き合っているんですか…?私、全然そういう情報に疎くて、すごく、気になります」

「俺たちは付き合い始めて、えっと、まだ、1年ちょっと…かな…?」
…予想より短いと私は思った。

詳しく聞けば、杉崎さんは意外にも、笑顔で答えてくれる。告白は林さんの方から。それでなぜか、一度はお断りしたこと。数ヶ月経って、再度彼女から告白を受けたこと。その時に初めて承諾して付き合いが始まったらしい。

同じ人に…期間を空けて再度告白…。

私なら、一度拒否をされた時点で…気持ちが極端に落ち込んでしまい、二度目の告白なんてできないと…絶対にないと…断言できる。
そもそも私は、好きになっても自分から告白することすらできないと思う。

よほど相手を好きでないと、そんな気持ちは維持できない…私は林さんの杉崎さんに対する強い気持ちを感じた。

「そうでしたか~すごい…二度も…杉崎さん、モテますね~。でも…じゃあ今…私と二人でご飯とか…食べてても…大丈夫…なんですか…?」

それは私の本心だった。
その部分は一応、確認しておきたかった。

林さんの立場なら、遠距離恋愛中の大好きな彼氏が、他の女性と二人きりで食事に行ったと聞かされるのは、もしかしたら…嫌なんじゃないだろうか…。

その場合は、私も今後は考えて行動すべきだと…そう思えたからだ。

私の心配をよそに、杉崎さんはあっさり答える。
「いやいや、これはただの同僚とのご飯でしょ?これはいいと思うよ、普通に…
そもそも、いちいち彼女に逐一、誰とご飯に行ったとか報告なんてしないし、そんなこと気にしてないよ?彼女は多分…」

本当に…そう、なのだろうか…

でも…杉崎さんがそう話す以上、私はもう、あまり気にしないことにした。

事実、私自身ですら、拓海が職場の女性の一人と二人で食事に行ったと聞かされたとしても、気にならない…そんな気がしたからだ。

「では、今回は大丈夫セーフということで…ほっとしました」そう冗談めかして、答える。

「水無月さん、気にし過ぎ…!俺、こうみえて、オッサンだからね、いや、どう見えてるか、わかんないけど…今日は俺から誘ったんだし…全然、気にしないで。」

杉崎さんが笑う。
 私もつられて笑う。

楽しい…ただただ楽しい…

…拓海以外の男性との初めての、食事だった…

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