【完結】あの可愛い人妻を、誰か俺に譲ってください。

もえこ

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約束の日

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彼女が壊れた…
きっと、そう言っている俺も、壊れた…
もう…多分、止められない…

たとえば、彼女を抱こうとした直前に彼女が…嫌だと意思表示をしても…裸の彼女を…由良さんを前にしたら…俺はもう、止められない…気がする。

金曜日…
あっという間に約束の日になってしまった。

今日の約束は午後6時…駅近くのステーキハウスで、良さげなコース料理を予約してある。

「由良さんを食べたい…」なんて、ふざけたラインをしてみたものの、しかも彼女から「いいですよ。」と返事がきたものの、じゃあ、ホテルへ、とか俺の家へ…なんて、とんとん拍子に話が進むわけでもなく…俺たちは何事もなかったように、金曜日、普通に食事の約束をした。

ただ、いつもと違って…極度に緊張しまくっていたのは事実で…。

もしかしたら、食事の後、そういう雰囲気になるのかもしれない…いや、あんな会話をした後だから…ほぼ、そっちに…向かうかもしれないし…とにかく、色々…準備はしておくべきだと、俺は考えていた。

でも…彼女は、間違いなく、人妻だ…人妻と独身の俺…一体どこへ…向かえる…ってんだ…
そういう、ホテルに入るのを、もしも誰かに…見られたら…?
俺の部屋に彼女を連れ込むのを…もしも見られたら…? 

由良さんと…俺がしようとしていることは…完全に…不倫…だ…

彼女の夫に知られたら…どうなるか…。
ばれたらきっと、俺は仕事も全て失うし…
もしかしたら…裁判とかになる可能性だってある。
俺が彼女の夫に慰謝料を請求されたり…色々…想像もできないような、地獄が待っているだろう…

分かってる…そんなことは頭では…わかってんだけど…どうしようもなく…彼女に惹かれてしまう自分がいる。

彼女は、人の奥さん、人妻だ…
でも…由良さんの控えめな性格、誰に対しても優しい物腰、はにかんだような笑顔…屈託なく笑う声…もちろん、見た目だって…全てが…俺を…翻弄する。とにかく、これだけは言える…。

俺からはもう…絶対に引くことはできない…。

ずっと好きだった由良さんが俺に対して…OKしてくれたことを…どうやって俺が拒絶することが出来るだろう…。

約束の6時少し前…。

「お待たせしました…!」彼女がいつものように、笑顔でやってきた。

俺は心臓の奥がドクンと震えるのを感じつつ、彼女を店にいざなう。

                                   つづく














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