【完結】あの可愛い人妻を、誰か俺に譲ってください。

もえこ

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困惑の月曜日

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月曜日の朝、俺はいつも通りの身支度をし、家を出た。

土日は由良さんとの良からぬ妄想に耽っては、自己嫌悪に陥るの、繰り返しだった。

彼女は人妻なんだ…これ以上、彼女にのめり込んじゃダメだと必死に衝動を制止する俺と…

もう一息だ…ハグだけではなく、ディープキスまで許すなんて…彼女はやはりその先を期待しているんじゃないか…と、更に一歩進ませようとそそのかす俺…

俺の内心は二つに分かれ、必死にせめぎ合いをしている状況だった。

今朝、彼女はどんな反応を示すだろうか…
対面するのがやはり少し怖い…そう思いながら職場のエレベーターに乗り込む。

荷物を整え、パソコンの電源を入れ身の回りを職場モードに整える。
俺はまず、毎朝給湯室で熱いドリップコーヒーをいれるのが日課になっている。といっても、カップにセットする簡易式だけど、これでもインスタントとかよりは全然美味しい。

今朝もいつも通り、コーヒーをいれていると、背後から聞き慣れた足音がして…「おはようございます…木下さん」と可愛らしい声がする。
彼女、由良さんだった…

心の準備もなく、いきなり彼女が現れたので、かなりビビった俺。

「わっ…と、おは、おはようございます…白石さん…き、昨日はどうも…」たどたどしく話す…

どうも…って、なにが、どうも、なんだ…改めて考えると少し恥ずかしい気がしてくる。

食事か? ハグか…? それとも、キスか…?

…もしかして、彼女、あまりそうは見えなかったけど、キスが嫌だったり…したのかな…?彼女の性格から、嫌だけど俺に合わせていたとかも、もしかしたら…あるのかもしれない…
そこを今、謝るべきだったり、するのかな…

俺の頭の中に、色々な思考が錯綜する。

「あっ…の…昨日はあの…」
俺が話そうとすると、まるでそこにかぶせるように、

「昨夜はありがとうございました。美味しかったし、楽しかったですね!また、行きましょう。」

普通に話す彼女…
何事もなかったように振る舞っている…というか…むしろ何事もなかったように…したい…のだろうか…?

俺は困惑しながら口を開こうとする…と、背後から別の誰かがこちらへ歩いてくる足音がしたのでそれから先は、話を続けられず、お互いに会釈して別れるより他、なかった。

彼女が一体今、何を考えているのか…
やっぱり俺だけが、空回りしているだけなのかな…

結局その日は彼女と話せずわからないままだった…

              つづく


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