【完結】あの可愛い人妻を、誰か俺に譲ってください。

もえこ

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肉食男子

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ある日、部内係員だけの飲み会が開催された。
月に一度くらいのペースで開かれているものだ。

係員は俺も含めて全部で4人。

1係から4係まであり、各係の事務係員は1人づつ配置。4人とも基本的に同様の仕事をしているから話も合い、まあまあ仲が良い。
男女比は男3、女1 
つまり由良さん一人だけが女性だ。

それでも誘えば、彼女はいつも積極的に参加してくれる。

今日は職場近くの、店は狭くて綺麗ではないが、美味いと有名な焼鳥屋にきていた。

二階の個室の予約が取れたので、順番に、昔の民家にあるような、急な勾配の階段をあがる。

断じて、わざとじゃなく、たまたま由良さんの後に俺が階段をあがったんだけど…

可愛らしく小ぶりなお尻がすぐ目の前に…そして、今日彼女が履いている黒いタイトスカートがお尻のラインを なまめかしくみせていて、あまりにセクシー過ぎる…

うわ…めっちゃ、触りたい…

本当はガン見したい気持ちを抑えて、なんとか目線を横に逸らしてついていく。俺、最近マジでヤバイ…なんか中坊みたいだ… 理性理性。


乾杯した後、早速彼女が俺に聞いてくる。

「木下さん、職場に気になる女性とかいないんですか?本当にいないとしたら、すごく勿体ないですよ~まだお若いのに…」

実は、由良さん以外、三人とも独身だから、由良さんは俺らに、恋愛やら彼女のことを質問したり、いじったりするのが、すごく楽しいらしいのだ。

「気になるひと…ですか? うーん、今はいないですね、本当に」俺は、差し障りなく答える。

他の男子にも次々と聞き、誰にも女っ気がないとわかると、彼女は残念そうに溜め息をつく。

「私、最近思うんですけど…今時の男性ってかなり、草食過ぎると、思うんです!
女性からって、なかなか積極的にはいけないのに… 男性からはきてくれない…

だからなかなか、カップル成立しにくいんですよ、絶対。だから、皆さんは、もっと肉食系になるべきですよ~気になる女性がいたら、少し強引にアタックしてみてもいいんじゃないのかなって、私、思うんです」

肉食系…か…。

俺は、由良さんに3年前に出会って少ししてから、元カノと別れたから…もう、長いことセックスしていない。

もともと気持ちがないと出来ないタイプで、いわゆる男が性欲を解消するような店にも一度も行ったことがない。ムラムラしたら、自分でむなしく処理するだけだ。

彼女にはわからないだろうな… パートナーがいない男が、どんなに…溜まってるか。そりゃ、人それぞれ性欲の強さは違うけど、ほんと辛いんだ、性欲を抑えるの。
だから、人に迷惑をかけたり、ヤバイ犯罪を起こさないように、男は必死に、自分で自分を慰める。

なのに、彼女の口から、少しは積極的にいけ、つまり、肉食系になれ、なんて言われちゃうと…


お望みどおり、肉食獣のように、
人を疑わない可愛い君を押し倒して、無理矢理に服を脱がせて裸にし、余すことなく俺の欲望を…なんて、そんな危険な妄想が、俺の頭を支配する。

あ、俺…マジで、なに考えてんだろ…最近ほんと、欲求不満なのかな、抑えなきゃ…

純粋な目で、俺を見て楽しそうに話しかける君。

ごめんね、本当に迷惑だとは思うけど、俺は
君が、好きなんだ、あわよくば君を抱きしめたい…
なんで、既婚者なんだ…まあ、こんなに魅力的だから男が放っておくわけないか…

だからどうか、今みたいに、無防備に
俺にすきを見せないで欲しい。
俺は隙あらば、きっと君に付け入ってしまう。
君が人妻だと、わかっているのに。

俺は、危険な自分の妄想をなんとか振り払い、
アツアツの焼鳥を口に放った。

           つづく










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