6 / 60
肉食男子
しおりを挟む
ある日、部内係員だけの飲み会が開催された。
月に一度くらいのペースで開かれているものだ。
係員は俺も含めて全部で4人。
1係から4係まであり、各係の事務係員は1人づつ配置。4人とも基本的に同様の仕事をしているから話も合い、まあまあ仲が良い。
男女比は男3、女1
つまり由良さん一人だけが女性だ。
それでも誘えば、彼女はいつも積極的に参加してくれる。
今日は職場近くの、店は狭くて綺麗ではないが、美味いと有名な焼鳥屋にきていた。
二階の個室の予約が取れたので、順番に、昔の民家にあるような、急な勾配の階段をあがる。
断じて、わざとじゃなく、たまたま由良さんの後に俺が階段をあがったんだけど…
可愛らしく小ぶりなお尻がすぐ目の前に…そして、今日彼女が履いている黒いタイトスカートがお尻のラインを 艶めかしくみせていて、あまりにセクシー過ぎる…
うわ…めっちゃ、触りたい…
本当はガン見したい気持ちを抑えて、なんとか目線を横に逸らしてついていく。俺、最近マジでヤバイ…なんか中坊みたいだ… 理性理性。
乾杯した後、早速彼女が俺に聞いてくる。
「木下さん、職場に気になる女性とかいないんですか?本当にいないとしたら、すごく勿体ないですよ~まだお若いのに…」
実は、由良さん以外、三人とも独身だから、由良さんは俺らに、恋愛やら彼女のことを質問したり、いじったりするのが、すごく楽しいらしいのだ。
「気になるひと…ですか? うーん、今はいないですね、本当に」俺は、差し障りなく答える。
他の男子にも次々と聞き、誰にも女っ気がないとわかると、彼女は残念そうに溜め息をつく。
「私、最近思うんですけど…今時の男性ってかなり、草食過ぎると、思うんです!
女性からって、なかなか積極的にはいけないのに… 男性からはきてくれない…
だからなかなか、カップル成立しにくいんですよ、絶対。だから、皆さんは、もっと肉食系になるべきですよ~気になる女性がいたら、少し強引にアタックしてみてもいいんじゃないのかなって、私、思うんです」
肉食系…か…。
俺は、由良さんに3年前に出会って少ししてから、元カノと別れたから…もう、長いことセックスしていない。
もともと気持ちがないと出来ないタイプで、いわゆる男が性欲を解消するような店にも一度も行ったことがない。ムラムラしたら、自分でむなしく処理するだけだ。
彼女にはわからないだろうな… パートナーがいない男が、どんなに…溜まってるか。そりゃ、人それぞれ性欲の強さは違うけど、ほんと辛いんだ、性欲を抑えるの。
だから、人に迷惑をかけたり、ヤバイ犯罪を起こさないように、男は必死に、自分で自分を慰める。
なのに、彼女の口から、少しは積極的にいけ、つまり、肉食系になれ、なんて言われちゃうと…
お望みどおり、肉食獣のように、
人を疑わない可愛い君を押し倒して、無理矢理に服を脱がせて裸にし、余すことなく俺の欲望を…なんて、そんな危険な妄想が、俺の頭を支配する。
あ、俺…マジで、なに考えてんだろ…最近ほんと、欲求不満なのかな、抑えなきゃ…
純粋な目で、俺を見て楽しそうに話しかける君。
ごめんね、本当に迷惑だとは思うけど、俺は
君が、好きなんだ、あわよくば君を抱きしめたい…
なんで、既婚者なんだ…まあ、こんなに魅力的だから男が放っておくわけないか…
だからどうか、今みたいに、無防備に
俺に隙を見せないで欲しい。
俺は隙あらば、きっと君に付け入ってしまう。
君が人妻だと、わかっているのに。
俺は、危険な自分の妄想をなんとか振り払い、
アツアツの焼鳥を口に放った。
つづく
月に一度くらいのペースで開かれているものだ。
係員は俺も含めて全部で4人。
1係から4係まであり、各係の事務係員は1人づつ配置。4人とも基本的に同様の仕事をしているから話も合い、まあまあ仲が良い。
男女比は男3、女1
つまり由良さん一人だけが女性だ。
それでも誘えば、彼女はいつも積極的に参加してくれる。
今日は職場近くの、店は狭くて綺麗ではないが、美味いと有名な焼鳥屋にきていた。
二階の個室の予約が取れたので、順番に、昔の民家にあるような、急な勾配の階段をあがる。
断じて、わざとじゃなく、たまたま由良さんの後に俺が階段をあがったんだけど…
可愛らしく小ぶりなお尻がすぐ目の前に…そして、今日彼女が履いている黒いタイトスカートがお尻のラインを 艶めかしくみせていて、あまりにセクシー過ぎる…
うわ…めっちゃ、触りたい…
本当はガン見したい気持ちを抑えて、なんとか目線を横に逸らしてついていく。俺、最近マジでヤバイ…なんか中坊みたいだ… 理性理性。
乾杯した後、早速彼女が俺に聞いてくる。
「木下さん、職場に気になる女性とかいないんですか?本当にいないとしたら、すごく勿体ないですよ~まだお若いのに…」
実は、由良さん以外、三人とも独身だから、由良さんは俺らに、恋愛やら彼女のことを質問したり、いじったりするのが、すごく楽しいらしいのだ。
「気になるひと…ですか? うーん、今はいないですね、本当に」俺は、差し障りなく答える。
他の男子にも次々と聞き、誰にも女っ気がないとわかると、彼女は残念そうに溜め息をつく。
「私、最近思うんですけど…今時の男性ってかなり、草食過ぎると、思うんです!
女性からって、なかなか積極的にはいけないのに… 男性からはきてくれない…
だからなかなか、カップル成立しにくいんですよ、絶対。だから、皆さんは、もっと肉食系になるべきですよ~気になる女性がいたら、少し強引にアタックしてみてもいいんじゃないのかなって、私、思うんです」
肉食系…か…。
俺は、由良さんに3年前に出会って少ししてから、元カノと別れたから…もう、長いことセックスしていない。
もともと気持ちがないと出来ないタイプで、いわゆる男が性欲を解消するような店にも一度も行ったことがない。ムラムラしたら、自分でむなしく処理するだけだ。
彼女にはわからないだろうな… パートナーがいない男が、どんなに…溜まってるか。そりゃ、人それぞれ性欲の強さは違うけど、ほんと辛いんだ、性欲を抑えるの。
だから、人に迷惑をかけたり、ヤバイ犯罪を起こさないように、男は必死に、自分で自分を慰める。
なのに、彼女の口から、少しは積極的にいけ、つまり、肉食系になれ、なんて言われちゃうと…
お望みどおり、肉食獣のように、
人を疑わない可愛い君を押し倒して、無理矢理に服を脱がせて裸にし、余すことなく俺の欲望を…なんて、そんな危険な妄想が、俺の頭を支配する。
あ、俺…マジで、なに考えてんだろ…最近ほんと、欲求不満なのかな、抑えなきゃ…
純粋な目で、俺を見て楽しそうに話しかける君。
ごめんね、本当に迷惑だとは思うけど、俺は
君が、好きなんだ、あわよくば君を抱きしめたい…
なんで、既婚者なんだ…まあ、こんなに魅力的だから男が放っておくわけないか…
だからどうか、今みたいに、無防備に
俺に隙を見せないで欲しい。
俺は隙あらば、きっと君に付け入ってしまう。
君が人妻だと、わかっているのに。
俺は、危険な自分の妄想をなんとか振り払い、
アツアツの焼鳥を口に放った。
つづく
1
お気に入りに追加
72
あなたにおすすめの小説


会社の上司の妻との禁断の関係に溺れた男の物語
六角
恋愛
日本の大都市で働くサラリーマンが、偶然出会った上司の妻に一目惚れしてしまう。彼女に強く引き寄せられるように、彼女との禁断の関係に溺れていく。しかし、会社に知られてしまい、別れを余儀なくされる。彼女との別れに苦しみ、彼女を忘れることができずにいる。彼女との関係は、運命的なものであり、彼女との愛は一生忘れることができない。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
イケメン社長と私が結婚!?初めての『気持ちイイ』を体に教え込まれる!?
すずなり。
恋愛
ある日、彼氏が自分の住んでるアパートを引き払い、勝手に『同棲』を求めてきた。
「お前が働いてるんだから俺は家にいる。」
家事をするわけでもなく、食費をくれるわけでもなく・・・デートもしない。
「私は母親じゃない・・・!」
そう言って家を飛び出した。
夜遅く、何も持たず、靴も履かず・・・一人で泣きながら歩いてるとこを保護してくれた一人の人。
「何があった?送ってく。」
それはいつも仕事場のカフェに来てくれる常連さんだった。
「俺と・・・結婚してほしい。」
「!?」
突然の結婚の申し込み。彼のことは何も知らなかったけど・・・惹かれるのに時間はかからない。
かっこよくて・・優しくて・・・紳士な彼は私を心から愛してくれる。
そんな彼に、私は想いを返したい。
「俺に・・・全てを見せて。」
苦手意識の強かった『営み』。
彼の手によって私の感じ方が変わっていく・・・。
「いあぁぁぁっ・・!!」
「感じやすいんだな・・・。」
※お話は全て想像の世界のものです。現実世界とはなんら関係ありません。
※お話の中に出てくる病気、治療法などは想像のものとしてご覧ください。
※誤字脱字、表現不足は重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけると嬉しいです。
※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・すみません。
それではお楽しみください。すずなり。

ヤンデレエリートの執愛婚で懐妊させられます
沖田弥子
恋愛
職場の後輩に恋人を略奪された澪。終業後に堪えきれず泣いていたところを、営業部のエリート社員、天王寺明夜に見つかってしまう。彼に優しく慰められながら居酒屋で事の顛末を話していたが、なぜか明夜と一夜を過ごすことに――!? 明夜は傷心した自分を慰めてくれただけだ、と考える澪だったが、翌朝「責任をとってほしい」と明夜に迫られ、婚姻届にサインしてしまった。突如始まった新婚生活。明夜は澪の心と身体を幸せで満たしてくれていたが、徐々に明夜のヤンデレな一面が見えてきて――執着強めな旦那様との極上溺愛ラブストーリー!

甘すぎるドクターへ。どうか手加減して下さい。
海咲雪
恋愛
その日、新幹線の隣の席に疲れて寝ている男性がいた。
ただそれだけのはずだったのに……その日、私の世界に甘さが加わった。
「案外、本当に君以外いないかも」
「いいの? こんな可愛いことされたら、本当にもう逃してあげられないけど」
「もう奏葉の許可なしに近づいたりしない。だから……近づく前に奏葉に聞くから、ちゃんと許可を出してね」
そのドクターの甘さは手加減を知らない。
【登場人物】
末永 奏葉[すえなが かなは]・・・25歳。普通の会社員。気を遣い過ぎてしまう性格。
恩田 時哉[おんだ ときや]・・・27歳。医者。奏葉をからかう時もあるのに、甘すぎる?
田代 有我[たしろ ゆうが]・・・25歳。奏葉の同期。テキトーな性格だが、奏葉の変化には鋭い?
【作者に医療知識はありません。恋愛小説として楽しんで頂ければ幸いです!】

ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる