4 / 60
由良さんの魅力
しおりを挟む
彼女は俺とは違う係の配属になったものの、同じ部屋で基本的に仕事はほぼかぶってる内容だったため、俺が色々と教えたりするようになった。
説明したことは、きちんとその場でメモをとる。
そして、彼女に最初説明したら、同じことを聞かれることは一度もなかった。
それほど彼女はいつも、誰に対しても、真摯な姿勢を崩さず、仕事に対して一生懸命だった。
最初は、挨拶の際の静かな雰囲気と洋服の地味さから、実はあまり雑談などはしない真面目なタイプかと思っていたけど、いざ話をしてみたら、かなり気さくでむしろ、面白系。
そのへんのキラキラしたお洒落な女子より、漫画やゲームについても結構知っていて話が通じるもんだから、すぐに彼女は周りの皆と、打ち解けた。
そう、周りの男性社員も、きっと、彼女を好きに違いない。
もはや、彼女が好かれない要素は、1パーセントも見当たらなかった。
それからの3年間、係内異動は何度かあったものの、俺は運よく彼女と部屋を変わることなく…現在に至る。
だからこそ、物理的には離れられず、好きの気持ちを、止めることができなかったのだ…
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「木下さん、進撃の小人、っていう漫画、知ってます? 私、今数冊借りてて、キャラが可愛くてすごくはまってて…」
お昼にたまに給湯室で一緒になり、そんな話を振られると、俺の心はその日一日中…踊る。
「あ~知ってます、知ってます。実は俺、全巻、持ってますよ!あ…」…(良かったら、貸しましょうか…?)
心の声が、由良さんに対して、漫画の貸し出しを提案しようとする。何故なら少しでも彼女と、つながりたいから…。
でもやっぱり、彼女は人妻。
旦那との愛の巣に、俺の漫画…
きっと、邪魔だな…旦那にも、なんて思われるか、わかったもんじゃないや。
俺は心の声をおさえ、彼女に伝える。
「その漫画、どんどん、絵が綺麗になりますし、面白くなりますよ~読み終えたら感想、聞かせてくださいね」
「はいっ。楽しみだな~☆今日も夜に、続き、読みまくります!では、午後も頑張りましょうねっ」
ひらりとスカートを揺らして、由良さんが俺に微笑みかけ、立ち去る。
はい!午後も一生懸命、頑張れそうです、俺。
あーーー …好きだ好きだ…もっと、その可愛い顔を見ていたかった。
仕事なんてほったらかして、彼女と、カフェとかでお茶したい。ご飯行きたい。飲みに行きたい。
彼女と沢山話したい、彼女に悩みがあるなら全て、聞いてあげたい。
(抱きしめたい、キスしたい、彼女の…すべてを知りたい。)…俺はダメな男だ…もはや、変態だ。
彼女に対しては、ホント最近の俺って…やばいかも。この気持ちを爆発させて彼女を困らせるつもりなんて毛頭ないけど、3年間もの長い間…気持ちが吹っ切れていないままの俺
…既に、かなり限界がきていた。
夫婦間はうまくいってるのかな?多分、ありえないと思うけど、冷え切ってて欲しい…なんて…
あーあ…不毛だ…バカな俺…冷静に冷静に…なんてったって。彼女は人妻。
彼女の幸せは、間違いなく、家庭にあるんだから
つづく
説明したことは、きちんとその場でメモをとる。
そして、彼女に最初説明したら、同じことを聞かれることは一度もなかった。
それほど彼女はいつも、誰に対しても、真摯な姿勢を崩さず、仕事に対して一生懸命だった。
最初は、挨拶の際の静かな雰囲気と洋服の地味さから、実はあまり雑談などはしない真面目なタイプかと思っていたけど、いざ話をしてみたら、かなり気さくでむしろ、面白系。
そのへんのキラキラしたお洒落な女子より、漫画やゲームについても結構知っていて話が通じるもんだから、すぐに彼女は周りの皆と、打ち解けた。
そう、周りの男性社員も、きっと、彼女を好きに違いない。
もはや、彼女が好かれない要素は、1パーセントも見当たらなかった。
それからの3年間、係内異動は何度かあったものの、俺は運よく彼女と部屋を変わることなく…現在に至る。
だからこそ、物理的には離れられず、好きの気持ちを、止めることができなかったのだ…
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「木下さん、進撃の小人、っていう漫画、知ってます? 私、今数冊借りてて、キャラが可愛くてすごくはまってて…」
お昼にたまに給湯室で一緒になり、そんな話を振られると、俺の心はその日一日中…踊る。
「あ~知ってます、知ってます。実は俺、全巻、持ってますよ!あ…」…(良かったら、貸しましょうか…?)
心の声が、由良さんに対して、漫画の貸し出しを提案しようとする。何故なら少しでも彼女と、つながりたいから…。
でもやっぱり、彼女は人妻。
旦那との愛の巣に、俺の漫画…
きっと、邪魔だな…旦那にも、なんて思われるか、わかったもんじゃないや。
俺は心の声をおさえ、彼女に伝える。
「その漫画、どんどん、絵が綺麗になりますし、面白くなりますよ~読み終えたら感想、聞かせてくださいね」
「はいっ。楽しみだな~☆今日も夜に、続き、読みまくります!では、午後も頑張りましょうねっ」
ひらりとスカートを揺らして、由良さんが俺に微笑みかけ、立ち去る。
はい!午後も一生懸命、頑張れそうです、俺。
あーーー …好きだ好きだ…もっと、その可愛い顔を見ていたかった。
仕事なんてほったらかして、彼女と、カフェとかでお茶したい。ご飯行きたい。飲みに行きたい。
彼女と沢山話したい、彼女に悩みがあるなら全て、聞いてあげたい。
(抱きしめたい、キスしたい、彼女の…すべてを知りたい。)…俺はダメな男だ…もはや、変態だ。
彼女に対しては、ホント最近の俺って…やばいかも。この気持ちを爆発させて彼女を困らせるつもりなんて毛頭ないけど、3年間もの長い間…気持ちが吹っ切れていないままの俺
…既に、かなり限界がきていた。
夫婦間はうまくいってるのかな?多分、ありえないと思うけど、冷え切ってて欲しい…なんて…
あーあ…不毛だ…バカな俺…冷静に冷静に…なんてったって。彼女は人妻。
彼女の幸せは、間違いなく、家庭にあるんだから
つづく
1
お気に入りに追加
72
あなたにおすすめの小説
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
イケメン社長と私が結婚!?初めての『気持ちイイ』を体に教え込まれる!?
すずなり。
恋愛
ある日、彼氏が自分の住んでるアパートを引き払い、勝手に『同棲』を求めてきた。
「お前が働いてるんだから俺は家にいる。」
家事をするわけでもなく、食費をくれるわけでもなく・・・デートもしない。
「私は母親じゃない・・・!」
そう言って家を飛び出した。
夜遅く、何も持たず、靴も履かず・・・一人で泣きながら歩いてるとこを保護してくれた一人の人。
「何があった?送ってく。」
それはいつも仕事場のカフェに来てくれる常連さんだった。
「俺と・・・結婚してほしい。」
「!?」
突然の結婚の申し込み。彼のことは何も知らなかったけど・・・惹かれるのに時間はかからない。
かっこよくて・・優しくて・・・紳士な彼は私を心から愛してくれる。
そんな彼に、私は想いを返したい。
「俺に・・・全てを見せて。」
苦手意識の強かった『営み』。
彼の手によって私の感じ方が変わっていく・・・。
「いあぁぁぁっ・・!!」
「感じやすいんだな・・・。」
※お話は全て想像の世界のものです。現実世界とはなんら関係ありません。
※お話の中に出てくる病気、治療法などは想像のものとしてご覧ください。
※誤字脱字、表現不足は重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけると嬉しいです。
※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・すみません。
それではお楽しみください。すずなり。
病気になって芸能界から消えたアイドル。退院し、復学先の高校には昔の仕事仲間が居たけれど、彼女は俺だと気付かない
月島日向
ライト文芸
俺、日生遼、本名、竹中祐は2年前に病に倒れた。
人気絶頂だった『Cherry’s』のリーダーをやめた。
2年間の闘病生活に一区切りし、久しぶりに高校に通うことになった。けど、誰も俺の事を元アイドルだとは思わない。薬で細くなった手足。そんな細身の体にアンバランスなムーンフェイス(薬の副作用で顔だけが大きくなる事)
。
誰も俺に気付いてはくれない。そう。
2年間、連絡をくれ続け、俺が無視してきた彼女さえも。
もう、全部どうでもよく感じた。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる