【完結】あの可愛い人妻を、誰か俺に譲ってください。

出会い

俺と白石由良さんとの出会いは三年前。

俺がいる部署に彼女が異動してきたのが始まり。

朝の朝礼で、部長の隣に一人の女性が並んだ。

部長に促され、
彼女は凛とした綺麗な声で、挨拶をする。

「初めまして。白石由良と申します。最初、不慣れで色々ご迷惑をおかけするかとは思いますが、よろしくお願い致します。」
　そう言って、深々と頭を下げる。

挨拶は、たったそれだけ。
よく、挨拶で聞かれてもいないのに、長々と家族構成や趣味など語り出す人間もいるが、彼女は見事に、必要最低限だった。

キャミソールにカーディガン、女性らしいフォルムのフレアスカートを合わせ、姿勢良く立っている。

ただ、洋服のカラーは、超暗め、グレーと黒のみ。なんだか見た目年齢に合わず、地味な服装だなと俺は思った。まあこの時は、年齢知らなかったんだけど。

ただ、その存在感は、決して地味にあらず。

色白な肌に、パッチリ二重の大きな瞳。
サラサラのストレートヘア。
一言でいうと、綺麗、可愛い、いや…美しいかな。

周りの男子が、目を奪われているのが空気でわかる。彼女はいわゆる万人受けしそうな、モテ容姿だったのだ。

ただ、その時俺には美人な彼女がいたもんで、俺はこの時本当に彼女のことなんて、なんとも思わなかったんだ。

まさか、この日以降、次第に彼女を好きになり、自分ひとり、悩んで苦しむことになるなんて、想像すら、していなかったんだ。


　　　　　　　　　　　　　　　　つづく