【BL・R18】僕なんかが、君を好きになってもいいですか?

もえこ

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千尋

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その日の昼休み、太一がいつものように僕のところにやってくる。

「なあ、千尋… 今日は弁当持ってきた…?もしないなら学食行かねえ…?」

「ああ…今日は弁当、ないや… そうだね、行こっか…」

僕は財布を持って立ち上がる。

長身の太一と並ぶと身長差が凄い… 
20センチくらい上から太一が僕を見下ろし、僕の髪を、わしゃわしゃとかき混ぜるようにする…

もう…セットが乱れるじゃないか…
太一は時々、僕をそのへんのわんこのように扱う…

「あ… ほら…見ろよあれ… 」

「あー--… なるほどな…今まで意識して見てなかったけど、確かにな… やべーわ、アイツら…ってか太一、知ってんのかね…マジで…」

教室の隅っこから聞こえる、コソコソとした数人の小声…。

やっぱりだ…
昨日僕のことを話していた奴らが… 俺と太一の様子を、好奇な目で観察しているようだった…。

僕は確かに、男が好きだ…。
だけど、だれかれ構わず好きっていうんじゃなくて、もちろん、好みがちゃんとある…。

小杉君… 

高貴で近寄りがたい雰囲気をその身にまとう、彼…

漆黒で艶やかな髪が綺麗で、なんとも言えない色気があり…顔だけで言えば、ものすごい美形…。

小杉君が廊下を歩くたびに、その辺の女子がキャーキャー騒いでいるのがわかるほどだ…。

男の僕には… 絶対に… 本当に死んでも届かないような、神のような存在…。

クラスの中では…いや…多分学年一、優等生の小杉君…。

僕は高校1年の時に彼と出会ってからずっと、密かに…

    彼に思いを寄せていた。








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