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男が息を吸い込んで、再び、口を開く…。
俺は何を、聞かされているのだろうか…
「どうしてだろう…なんか、あんたにはついつい、話しちゃうな…
まあ、いいよね…その分命が数分でも伸びるわけだし…ふふ…
とにかく、俺がむかつくのは、そういう世の中の理不尽さだよ?腹立つんだよね…さっきの例でいくとさ…その夫婦の実情全く知らねえ奴が、好き放題、罪を犯した方をたたきまくって、自分の中にある正論を振りかざす…自分の家庭の妻のように…その妻が良妻だったのかどうか、わからないにもかかわらずだ…夫が妻と子供を殺したという、そのセンセーショナルな事実だけを理由に…それを高らかに武器にして…言いたい放題だよね…」
男が笑う…。
「夫婦の内情なんて、その家族以外に知る筈がないのに、大多数が自分のことに当てはめてしか物を考えられない…そのふりかざしている正論が、本当にその当事者に当てはまる事例なのかわからない状態で、よくもまあそんなこと、上から目線で言えるよねって…
考えてみれば子供のいじめも似たような構図だよね…毎日陰湿な虐めを受けている子供が、ある日遂に我慢できずにいじめっ子に手を出してしまったら、やっぱり先に手を出した子が悪いってことになる…ずっと虐めてたのは相手なのにさ…でもそれって、あまりに理不尽過ぎない…?」
「… … …」口が、挟めない…
「だからこそ、俺は他の方法で、この世を良くしてやろうと思ってる…。」
「良く… ? 他の、方法… ?」
意味が…分からない…
何十人もの人間を手にかけて…殺人の罪を犯している男が、一体何を言っているのか…
「生来…善人だった人間が…その境遇に耐えられずにやむを得ず悪人になって捕まってしまった奴は、同情の余地がある…それは警察やらに任せる…捕まれば裁判だ…そこで、出来うる限りの防御を…説明をして、裁かれたらいい…」
「… … … 」
「俺のターゲットは違う…。
生来、悪人で…過去にすすんで悪事に手を染めてんのに、それを隠して善人の仮面を被って生き延びている人種が一定数いる…それが、俺の今回の餌食…」
「… … … 」
「そいつらに同情の余地はない…だって、やむを得ない事情がないんだから…そういう奴らを厳選して…俺がひっそり成敗してやろうと、思ってさ…」
「… … … … 」
俺は目を見開き、
意図せず、固まってしまった…
俺は何を、聞かされているのだろうか…
「どうしてだろう…なんか、あんたにはついつい、話しちゃうな…
まあ、いいよね…その分命が数分でも伸びるわけだし…ふふ…
とにかく、俺がむかつくのは、そういう世の中の理不尽さだよ?腹立つんだよね…さっきの例でいくとさ…その夫婦の実情全く知らねえ奴が、好き放題、罪を犯した方をたたきまくって、自分の中にある正論を振りかざす…自分の家庭の妻のように…その妻が良妻だったのかどうか、わからないにもかかわらずだ…夫が妻と子供を殺したという、そのセンセーショナルな事実だけを理由に…それを高らかに武器にして…言いたい放題だよね…」
男が笑う…。
「夫婦の内情なんて、その家族以外に知る筈がないのに、大多数が自分のことに当てはめてしか物を考えられない…そのふりかざしている正論が、本当にその当事者に当てはまる事例なのかわからない状態で、よくもまあそんなこと、上から目線で言えるよねって…
考えてみれば子供のいじめも似たような構図だよね…毎日陰湿な虐めを受けている子供が、ある日遂に我慢できずにいじめっ子に手を出してしまったら、やっぱり先に手を出した子が悪いってことになる…ずっと虐めてたのは相手なのにさ…でもそれって、あまりに理不尽過ぎない…?」
「… … …」口が、挟めない…
「だからこそ、俺は他の方法で、この世を良くしてやろうと思ってる…。」
「良く… ? 他の、方法… ?」
意味が…分からない…
何十人もの人間を手にかけて…殺人の罪を犯している男が、一体何を言っているのか…
「生来…善人だった人間が…その境遇に耐えられずにやむを得ず悪人になって捕まってしまった奴は、同情の余地がある…それは警察やらに任せる…捕まれば裁判だ…そこで、出来うる限りの防御を…説明をして、裁かれたらいい…」
「… … … 」
「俺のターゲットは違う…。
生来、悪人で…過去にすすんで悪事に手を染めてんのに、それを隠して善人の仮面を被って生き延びている人種が一定数いる…それが、俺の今回の餌食…」
「… … … 」
「そいつらに同情の余地はない…だって、やむを得ない事情がないんだから…そういう奴らを厳選して…俺がひっそり成敗してやろうと、思ってさ…」
「… … … … 」
俺は目を見開き、
意図せず、固まってしまった…
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