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事件

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「つっ…  … え… … ?…」

なんだ…  何が、起こった… ここは、… どこだ…

「… … … … え…? … … … …」

目の前…距離にして10メートルほど先に、一人の男がいた…

黒いフードを目深にかぶった男… 目元は見えない…

長い脚を組んで、椅子にゆったりと座った男が、俺を見て、笑っている…?

「… … … な、んだ… … … 」

後輩と一緒に店を出て…その後、俺は…  俺は… ?

その後の記憶が… 全く、ない…  思い出せない…  

「…あっ… 」

そうだ… あの、店の前の路地…  
後輩と別れた後、暗い路地を歩いて… 確か…

「 … つっ… !」突如、後頭部に…鈍い痛みが走る…

そうだ…あの後、多分… そうだ… 恐らく、背後から何者かに襲われたのだろう…  
何かで…固い何かで、思い切り殴られた気がする…

あのまま、記憶を飛ばしたのか…

どこか…わからない場所… 倉庫のような…小さな、体育館のようにも見える場所に、
俺は連れて来られたらしい…。

しかも、後ろ手に、縛られている… 
太い鎖のようなもので椅子に縛り付けられている… 

どういうことだ… これでは、とても逃げ出せない …  なんだ… ? 

「ここ… どこだ… 」

独り言のように呟いた言葉を、すかさず、10メートルほど先の男が、拾う…。

「あ~~~やっと!!何…あんた、寝不足続いてたの…?待ちくたびれちゃったよ…おっはよう…いや、おっそよう…かな…やあっと、目を覚ましてくれたんだね…ご気分はいかが~~?」

フードの男が、首を傾げてくすくすと笑いながらこちらを見ている…。

「… … … 」

その場に全くそぐわないような…間延びしたような、そんな、ふざけた声音…

まさかとは思うが…   

         まさか… … まさか、な…

「… … … …」 ドクドクドクドク…  心臓が、嫌な音を立てる…

俺の頭によぎった、恐ろしく嫌な、予感… 嫌な、予測…  可能性…  

違うよな… まさか、な…  頭を、整理しろ… 俺は警察官、だ…  

「あ… あ… … 」
だが、人は驚き過ぎると… 声すら、出せなくなるらしい…
 

             俺は呆然と、奴を見上げた… 












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