22 / 38
~二人~
能動
しおりを挟む
「んっ… ん… 杉…崎 さ、…ん、…んっ…!」
苦しい…
息ができないくらいに隙間なく、杉崎さんの唇が私の唇に押し付けられる…。
背中を抱かれるようにしながら横を向く形になり杉崎さんの胸板が私の胸にぴたりと触れて恥ずかしさが増す…。
「… んっ… 」
ようやく唇が離れて、私は杉崎さんを見上げる…。
「… あの… …」思わず、声が出た。
「… ごめんね… 水無月さん… 」
杉崎さんの濡れた唇が目に映り、なぜだかずきりと胸が痛む…。
「… … やっぱり… … 私の…せいで… 」
「 違う …全然違うよ。 」
「だって、私が何も… …しない…から… 」
「…いやいや…本当に、違うって…」
「… … …」
杉崎さんは否定するが…杉崎さんはいつも優しい…。
本当のところはどうなのかわからない…。
「君が、マグロ…とか…なんでそんなことを…?…ていうか、水無月さんの口からまさかそんな言葉が出るとは…思いもしなかった…驚いたよ、本当に…でも、意味…本当にわかってる…?」
杉崎んさがクスリと笑って私を見るその瞳が、あまりに優しい…。
「わ…わかって、ます!もちろん… その…始終…受け身で…何もしない女性を…指す…んですよね…」
雑誌でも見たことはあるが…
拓海から、そのキーワードを聞いたことがあるなどとは、口が裂けても言えない…。
「…ん…受身、ね…まあ、そういう風に言われてはいるけど…そもそも俺は…そんなことを微塵も思ってないよ。」
「…嘘… だって… 」
さすがに、このまま杉崎さんの顔を見ながら続けることができない…私は反射的に下を向く…。
「… ん… ?」
「だって… その… 途中で…やめるって… わ、私は… まだ… 」
「… ん… まだ… ?」
「… まだ… その… 」
「… うん…まだ…何…?」
頭上から降りてくる杉崎さんの声に、ほんの少しの含みを感じた…
何だろう…
言わされている…?
じわじわと恥ずかしさが込み上げてきて、私は途端に口をつぐむ…。
「… や… なんでも、ないです… 」
横抱きのような体勢のまま…杉崎さんが私の髪に、さらりと触れた…。
その指の感触でさえ、愛おしいのに… どうして…
「…ごめん… 水無月さんの反応が可愛くて…意地悪した…俺、かなりの性悪だな…自分自身に引く。」
「… … … 」
「…俺がなんで途中で…やめたか、わかる…?」
「…いえ… でも…やっぱり私が… 私に、魅力が… 足りない… とか…ぁっ… 」
いきなり… 杉崎さんに手を掴まれて運ばれたその先…
どくどくとした、熱を感じた…。
「あっ… やっ… 」
少し力を加えて押さえつけるかのように、杉崎さんが私の手を自身のそこにあてがう…。
熱い… なんで…
「 … ほら…わかる…?…やめるって言ったけど…、俺は今だに…こんな状況だよ…?」
「… っ… …」
「本音は…君を抱きたくて、仕方ない…でも、ね…今日はちょっと精神的に不安定…だから…」
布地の上からでもわかる…
杉崎さんの堅く…逞しく…熱いその部分が…私の指が触れた瞬間にびくんと震えた気がした…。
明らかに屹立しようとしているそれを…なんとか布地が抑えつけているような状態…
余計に、意味が分からなくなる…。
杉崎さんの欲望がなくなったわけでは、ないということ…?
それなのに、なんで…
杉崎さんの言うことを言葉通り信じれば…
私が受身なことに、嫌気を指したわけではなさそうだけど…じゃあ、どうして…?
杉崎さんはこんな風になっているのにも関わらず なぜ突然、今日はやめておこうなんて言ったの…?
「 … どう、して… ?」疑問が、そのまま口に出た…。
「 …んー… それはまあ、また今度…説明できたら、しようかな… でもまあ、とにかく今日は…」
その返答を聞いて、私は意を決した…。
説明もしてくれない…
でも…モヤモヤする気持ちを抱えたまま…このまま、杉崎さんと離れたくはない…。
「…嫌、です…それなら…もういいです…教えてくれないなら…今日は私が…杉崎さんの、を… 」
「 …えっ …?」
私にだって…
女にだって…欲望はある…。
今日は、引くことが出来ない…受け身ではなく、自分のしたいように、あくまで能動的に…
私は静かに身体をずらし、杉崎さんのベルトに手を掛けた…。
苦しい…
息ができないくらいに隙間なく、杉崎さんの唇が私の唇に押し付けられる…。
背中を抱かれるようにしながら横を向く形になり杉崎さんの胸板が私の胸にぴたりと触れて恥ずかしさが増す…。
「… んっ… 」
ようやく唇が離れて、私は杉崎さんを見上げる…。
「… あの… …」思わず、声が出た。
「… ごめんね… 水無月さん… 」
杉崎さんの濡れた唇が目に映り、なぜだかずきりと胸が痛む…。
「… … やっぱり… … 私の…せいで… 」
「 違う …全然違うよ。 」
「だって、私が何も… …しない…から… 」
「…いやいや…本当に、違うって…」
「… … …」
杉崎さんは否定するが…杉崎さんはいつも優しい…。
本当のところはどうなのかわからない…。
「君が、マグロ…とか…なんでそんなことを…?…ていうか、水無月さんの口からまさかそんな言葉が出るとは…思いもしなかった…驚いたよ、本当に…でも、意味…本当にわかってる…?」
杉崎んさがクスリと笑って私を見るその瞳が、あまりに優しい…。
「わ…わかって、ます!もちろん… その…始終…受け身で…何もしない女性を…指す…んですよね…」
雑誌でも見たことはあるが…
拓海から、そのキーワードを聞いたことがあるなどとは、口が裂けても言えない…。
「…ん…受身、ね…まあ、そういう風に言われてはいるけど…そもそも俺は…そんなことを微塵も思ってないよ。」
「…嘘… だって… 」
さすがに、このまま杉崎さんの顔を見ながら続けることができない…私は反射的に下を向く…。
「… ん… ?」
「だって… その… 途中で…やめるって… わ、私は… まだ… 」
「… ん… まだ… ?」
「… まだ… その… 」
「… うん…まだ…何…?」
頭上から降りてくる杉崎さんの声に、ほんの少しの含みを感じた…
何だろう…
言わされている…?
じわじわと恥ずかしさが込み上げてきて、私は途端に口をつぐむ…。
「… や… なんでも、ないです… 」
横抱きのような体勢のまま…杉崎さんが私の髪に、さらりと触れた…。
その指の感触でさえ、愛おしいのに… どうして…
「…ごめん… 水無月さんの反応が可愛くて…意地悪した…俺、かなりの性悪だな…自分自身に引く。」
「… … … 」
「…俺がなんで途中で…やめたか、わかる…?」
「…いえ… でも…やっぱり私が… 私に、魅力が… 足りない… とか…ぁっ… 」
いきなり… 杉崎さんに手を掴まれて運ばれたその先…
どくどくとした、熱を感じた…。
「あっ… やっ… 」
少し力を加えて押さえつけるかのように、杉崎さんが私の手を自身のそこにあてがう…。
熱い… なんで…
「 … ほら…わかる…?…やめるって言ったけど…、俺は今だに…こんな状況だよ…?」
「… っ… …」
「本音は…君を抱きたくて、仕方ない…でも、ね…今日はちょっと精神的に不安定…だから…」
布地の上からでもわかる…
杉崎さんの堅く…逞しく…熱いその部分が…私の指が触れた瞬間にびくんと震えた気がした…。
明らかに屹立しようとしているそれを…なんとか布地が抑えつけているような状態…
余計に、意味が分からなくなる…。
杉崎さんの欲望がなくなったわけでは、ないということ…?
それなのに、なんで…
杉崎さんの言うことを言葉通り信じれば…
私が受身なことに、嫌気を指したわけではなさそうだけど…じゃあ、どうして…?
杉崎さんはこんな風になっているのにも関わらず なぜ突然、今日はやめておこうなんて言ったの…?
「 … どう、して… ?」疑問が、そのまま口に出た…。
「 …んー… それはまあ、また今度…説明できたら、しようかな… でもまあ、とにかく今日は…」
その返答を聞いて、私は意を決した…。
説明もしてくれない…
でも…モヤモヤする気持ちを抱えたまま…このまま、杉崎さんと離れたくはない…。
「…嫌、です…それなら…もういいです…教えてくれないなら…今日は私が…杉崎さんの、を… 」
「 …えっ …?」
私にだって…
女にだって…欲望はある…。
今日は、引くことが出来ない…受け身ではなく、自分のしたいように、あくまで能動的に…
私は静かに身体をずらし、杉崎さんのベルトに手を掛けた…。
10
あなたにおすすめの小説
黒瀬部長は部下を溺愛したい
桐生桜
恋愛
イケメン上司の黒瀬部長は営業部のエース。
人にも自分にも厳しくちょっぴり怖い……けど!
好きな人にはとことん尽くして甘やかしたい、愛でたい……の溺愛体質。
部下である白石莉央はその溺愛を一心に受け、とことん愛される。
スパダリ鬼上司×新人OLのイチャラブストーリーを一話ショートに。
病弱な彼女は、外科医の先生に静かに愛されています 〜穏やかな執着に、逃げ場はない〜
来栖れいな
恋愛
――穏やかな微笑みの裏に、逃げられない愛があった。
望んでいたわけじゃない。
けれど、逃げられなかった。
生まれつき弱い心臓を抱える彼女に、政略結婚の話が持ち上がった。
親が決めた未来なんて、受け入れられるはずがない。
無表情な彼の穏やかさが、余計に腹立たしかった。
それでも――彼だけは違った。
優しさの奥に、私の知らない熱を隠していた。
形式だけのはずだった関係は、少しずつ形を変えていく。
これは束縛? それとも、本当の愛?
穏やかな外科医に包まれていく、静かで深い恋の物語。
※この物語はフィクションです。
登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。
【R18】純粋無垢なプリンセスは、婚礼した冷徹と噂される美麗国王に三日三晩の初夜で蕩かされるほど溺愛される
奏音 美都
恋愛
数々の困難を乗り越えて、ようやく誓約の儀を交わしたグレートブルタン国のプリンセスであるルチアとシュタート王国、国王のクロード。
けれど、それぞれの執務に追われ、誓約の儀から二ヶ月経っても夫婦の時間を過ごせずにいた。
そんなある日、ルチアの元にクロードから別邸への招待状が届けられる。そこで三日三晩の甘い蕩かされるような初夜を過ごしながら、クロードの過去を知ることになる。
2人の出会いを描いた作品はこちら
「純粋無垢なプリンセスを野盗から助け出したのは、冷徹と噂される美麗国王でした」https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/443443630
2人の誓約の儀を描いた作品はこちら
「純粋無垢なプリンセスは、冷徹と噂される美麗国王と誓約の儀を結ぶ」
https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/183445041
極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~
恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」
そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。
私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。
葵は私のことを本当はどう思ってるの?
私は葵のことをどう思ってるの?
意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。
こうなったら確かめなくちゃ!
葵の気持ちも、自分の気持ちも!
だけど甘い誘惑が多すぎて――
ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。
極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です
朝陽七彩
恋愛
私は。
「夕鶴、こっちにおいで」
現役の高校生だけど。
「ずっと夕鶴とこうしていたい」
担任の先生と。
「夕鶴を誰にも渡したくない」
付き合っています。
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
神城夕鶴(かみしろ ゆづる)
軽音楽部の絶対的エース
飛鷹隼理(ひだか しゅんり)
アイドル的存在の超イケメン先生
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
彼の名前は飛鷹隼理くん。
隼理くんは。
「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」
そう言って……。
「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」
そして隼理くんは……。
……‼
しゅっ……隼理くん……っ。
そんなことをされたら……。
隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。
……だけど……。
え……。
誰……?
誰なの……?
その人はいったい誰なの、隼理くん。
ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。
その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。
でも。
でも訊けない。
隼理くんに直接訊くことなんて。
私にはできない。
私は。
私は、これから先、一体どうすればいいの……?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる