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~杉崎~
朝
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「…へえ…そうだったんだね…あ…そろそろ時間だ、じゃあね、細野さん。」
「は~~い、杉崎さん…また…!」
「… うん …また … 」
俺は、完全に冷めきった珈琲カップを手にしたまま細野さんを見送り、すぐに踵を返す。
また…
自分でそんな言葉を返しておきながら、違和感を覚える。
また、などとは、とても思えない…。
冷たい男だと思われても仕方ないが、彼女と「また」話したいと、思ったことなど、一度もない…。
俺は自嘲気味に、静かに笑う。
また、彼女に…
マイペース過ぎる細野さんに…貴重な、水無月さんとの朝の幸せな時間を奪われてしまった…。
「はあっ… …」
いつもいつも、
どうしてこうも彼女は俺にまとわりついてくるのだろう…。
「積極的」を通り越して、もはや…軽いストーカー…
いや…
そこまでいうのはさすがに酷いことなのかもしれないが、本当に彼女は、俺のいるどこにでも、毎日のように現れる…。
そして、前から思っていたことだが、彼女はやけに、俺との距離感が近い…。
話している間にも、どんどん俺の方に近付いて来て…俺の腕に触れてくるのは日常茶飯事だ…。
や~だ~杉崎さん、などと笑いながら…
俺の腕や肩に、それとなしに、触れてくる…。
少しずつ後ずさりをしているつもりだが、彼女は俺の身が引けていることにすら、気付いてないのかもしれない…。
今思えば、智花と付き合っている頃は、細野さんはあそこまで、積極的ではなかった気がする…。
智花さん、素敵な彼氏がいてい~な~私も杉崎さんみたいな素敵な大人の男性とお付き合いしたい~誰か紹介してくださいよ~などと言いながら、まるで妹のように、智花にも懐いていたような気がする…。
ところが、俺が智花と遠距離恋愛となった今…
まあ、まだ別れたことすら伝えてはいないのだが、最近の彼女の態度は…やはり何か違う…。
特に、水無月さんに対する態度は、明らかにおかしい…
この前のように、俺のいないところで、何度も彼女を困らせるようなことを細野さんがしているのではないかと気になるが、当の彼女は、俺が何を聞いても、口を開かないだろう…。
「 … …はあ… … 」
本当は彼女のことなんてどうでもいい…
細野さんがどうとか、智花がどうとか、
本当に、
今の俺にとっては、どうでも… … 。
「は~~い、杉崎さん…また…!」
「… うん …また … 」
俺は、完全に冷めきった珈琲カップを手にしたまま細野さんを見送り、すぐに踵を返す。
また…
自分でそんな言葉を返しておきながら、違和感を覚える。
また、などとは、とても思えない…。
冷たい男だと思われても仕方ないが、彼女と「また」話したいと、思ったことなど、一度もない…。
俺は自嘲気味に、静かに笑う。
また、彼女に…
マイペース過ぎる細野さんに…貴重な、水無月さんとの朝の幸せな時間を奪われてしまった…。
「はあっ… …」
いつもいつも、
どうしてこうも彼女は俺にまとわりついてくるのだろう…。
「積極的」を通り越して、もはや…軽いストーカー…
いや…
そこまでいうのはさすがに酷いことなのかもしれないが、本当に彼女は、俺のいるどこにでも、毎日のように現れる…。
そして、前から思っていたことだが、彼女はやけに、俺との距離感が近い…。
話している間にも、どんどん俺の方に近付いて来て…俺の腕に触れてくるのは日常茶飯事だ…。
や~だ~杉崎さん、などと笑いながら…
俺の腕や肩に、それとなしに、触れてくる…。
少しずつ後ずさりをしているつもりだが、彼女は俺の身が引けていることにすら、気付いてないのかもしれない…。
今思えば、智花と付き合っている頃は、細野さんはあそこまで、積極的ではなかった気がする…。
智花さん、素敵な彼氏がいてい~な~私も杉崎さんみたいな素敵な大人の男性とお付き合いしたい~誰か紹介してくださいよ~などと言いながら、まるで妹のように、智花にも懐いていたような気がする…。
ところが、俺が智花と遠距離恋愛となった今…
まあ、まだ別れたことすら伝えてはいないのだが、最近の彼女の態度は…やはり何か違う…。
特に、水無月さんに対する態度は、明らかにおかしい…
この前のように、俺のいないところで、何度も彼女を困らせるようなことを細野さんがしているのではないかと気になるが、当の彼女は、俺が何を聞いても、口を開かないだろう…。
「 … …はあ… … 」
本当は彼女のことなんてどうでもいい…
細野さんがどうとか、智花がどうとか、
本当に、
今の俺にとっては、どうでも… … 。
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