2 / 26
〜二人〜
約束
しおりを挟む
「… 水無月さん… 」
杉崎さんの綺麗な唇が、私の名前を口にする…。
「えっ… はい… 」
「…夢、みたいだ… 君と…その… 晴れて…」
「え… … っ…」
「晴れて…その…こんな風に…ね、なれたことが… 」
「… っ … 」
思わず、言葉をなくす…
同じことを…
たった今、同じことを頭の中で考えていたからだ…。
作業中の杉崎さんの肘が、
私の腕に偶然、触れた…。
一気に、体温が上がる…
「あっ … あの…私も…っ… 」
小さな声ではあるが、同じことを返そうとした瞬間…
「…あ、もう行くね…足音がする…ヒールの音…また…細野さんかも…今日も、頑張ろう…」
「あ… はい… あっ …」
去り際に、ふわりと頭を撫でられて…思わず顔を上げる…。
すごく、優しい手つき…
心の中に…ふわふわとした…とてつもない安心感のようなものが広がる…。
思わず、笑って…ううん…笑うというより、私の顔は、にやけていたのかも、しれない…
杉崎さんがふふと、声を出して小さく笑った…。
「…その顔、…やばい… 週末、楽しみにしてる…」
「… あ…っ、…はい… 」
やばい…?
どうしよう…
私は相当…
気持ち悪い顔で、笑っていたのかもしれない…。
週末の約束…
金曜日の夜、仕事後に外で食事をした後、杉崎さんの家に、お邪魔することになっているのだ…。
こんな関係になって…初めての訪問…
とはいえ、拓海があの夜に私の前に現れて、まだ2週間少ししか経っていないけど…
それでも、杉崎さんと本当の意味で恋人同士になって初めての、彼との夜…食事の約束…
楽しみであり…
なんともえいえない緊張のようなものが、私を包み込む…。
「あ~~!杉崎さん!おはようございま~~す。… 昨日は…」
「ああ…おはよう、細野さん。今日も元気だね… … …」
やはり、細野さんだ…
遠くで彼女の高い声と杉崎さんの声がする…。
とにかく、今日も仕事を頑張ろう…。
私は少し冷めた珈琲のマグカップを手にして、廊下に一歩、踏み出した。
杉崎さんの綺麗な唇が、私の名前を口にする…。
「えっ… はい… 」
「…夢、みたいだ… 君と…その… 晴れて…」
「え… … っ…」
「晴れて…その…こんな風に…ね、なれたことが… 」
「… っ … 」
思わず、言葉をなくす…
同じことを…
たった今、同じことを頭の中で考えていたからだ…。
作業中の杉崎さんの肘が、
私の腕に偶然、触れた…。
一気に、体温が上がる…
「あっ … あの…私も…っ… 」
小さな声ではあるが、同じことを返そうとした瞬間…
「…あ、もう行くね…足音がする…ヒールの音…また…細野さんかも…今日も、頑張ろう…」
「あ… はい… あっ …」
去り際に、ふわりと頭を撫でられて…思わず顔を上げる…。
すごく、優しい手つき…
心の中に…ふわふわとした…とてつもない安心感のようなものが広がる…。
思わず、笑って…ううん…笑うというより、私の顔は、にやけていたのかも、しれない…
杉崎さんがふふと、声を出して小さく笑った…。
「…その顔、…やばい… 週末、楽しみにしてる…」
「… あ…っ、…はい… 」
やばい…?
どうしよう…
私は相当…
気持ち悪い顔で、笑っていたのかもしれない…。
週末の約束…
金曜日の夜、仕事後に外で食事をした後、杉崎さんの家に、お邪魔することになっているのだ…。
こんな関係になって…初めての訪問…
とはいえ、拓海があの夜に私の前に現れて、まだ2週間少ししか経っていないけど…
それでも、杉崎さんと本当の意味で恋人同士になって初めての、彼との夜…食事の約束…
楽しみであり…
なんともえいえない緊張のようなものが、私を包み込む…。
「あ~~!杉崎さん!おはようございま~~す。… 昨日は…」
「ああ…おはよう、細野さん。今日も元気だね… … …」
やはり、細野さんだ…
遠くで彼女の高い声と杉崎さんの声がする…。
とにかく、今日も仕事を頑張ろう…。
私は少し冷めた珈琲のマグカップを手にして、廊下に一歩、踏み出した。
20
お気に入りに追加
37
あなたにおすすめの小説

記憶がないなら私は……
しがと
恋愛
ずっと好きでようやく付き合えた彼が記憶を無くしてしまった。しかも私のことだけ。そして彼は以前好きだった女性に私の目の前で抱きついてしまう。もう諦めなければいけない、と彼のことを忘れる決意をしたが……。 *全4話
私に告白してきたはずの先輩が、私の友人とキスをしてました。黙って退散して食事をしていたら、ハイスペックなイケメン彼氏ができちゃったのですが。
石河 翠
恋愛
飲み会の最中に席を立った主人公。化粧室に向かった彼女は、自分に告白してきた先輩と自分の友人がキスをしている現場を目撃する。
自分への告白は、何だったのか。あまりの出来事に衝撃を受けた彼女は、そのまま行きつけの喫茶店に退散する。
そこでやけ食いをする予定が、美味しいものに満足してご機嫌に。ちょっとしてネタとして先ほどのできごとを話したところ、ずっと片想いをしていた相手に押し倒されて……。
好きなひとは高嶺の花だからと諦めつつそばにいたい主人公と、アピールし過ぎているせいで冗談だと思われている愛が重たいヒーローの恋物語。
この作品は、小説家になろう及びエブリスタでも投稿しております。
扉絵は、写真ACよりチョコラテさまの作品をお借りしております。

好きな人がいるならちゃんと言ってよ
しがと
恋愛
高校1年生から好きだった彼に毎日のようにアピールして、2年の夏にようやく交際を始めることができた。それなのに、彼は私ではない女性が好きみたいで……。 彼目線と彼女目線の両方で話が進みます。*全4話
(R18)灰かぶり姫の公爵夫人の華麗なる変身
青空一夏
恋愛
Hotランキング16位までいった作品です。
レイラは灰色の髪と目の痩せぎすな背ばかり高い少女だった。
13歳になった日に、レイモンド公爵から突然、プロポーズされた。
その理由は奇妙なものだった。
幼い頃に飼っていたシャム猫に似ているから‥‥
レイラは社交界でもばかにされ、不釣り合いだと噂された。
せめて、旦那様に人間としてみてほしい!
レイラは隣国にある寄宿舎付きの貴族学校に留学し、洗練された淑女を目指すのだった。
☆マーク性描写あり、苦手な方はとばしてくださいませ。

淫らな蜜に狂わされ
歌龍吟伶
恋愛
普段と変わらない日々は思わぬ形で終わりを迎える…突然の出会い、そして体も心も開かれた少女の人生録。
全体的に性的表現・性行為あり。
他所で知人限定公開していましたが、こちらに移しました。
全3話完結済みです。



ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる